【マサチューセッツ州ボストン23日(日本時間24日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)の前夜の好投を目の当たりにしたボストンの地元紙はレッドソックスが田中獲得を見送ったことをあらためて残念がると同時に、強敵出現を警戒した。レッドソックスは田中獲得を検討したものの、最終的に見送った。先発陣が揃っていることや、入札金5111万ドル(約60億円=当時)と6年総額5200万ドル(約60億8400万円=当時)の巨費を投じながら、期待外れの成績に終わった現メッツの松坂大輔投手(33)がトラウマになっていると思われる。

 ボストン・グローブ紙は「なぜレッドソックスが25歳の右腕獲得に真剣ではなかったか不思議にさせる」と経営陣の姿勢へ不満をぶつけた。「田中にはそれだけの価値がある。もし壊れなければ新人王の有力候補というだけでなく、サイ・ヤング賞もあり得る。先は長いが確かにそこへ向かっている」と褒めた。とはいえ「田中はヤ軍最新のエネミー(敵)になった」と付け加えた。

 ボストン・ヘラルド紙も「彼は投資の価値があったように見える。先発投手が不足する来年だったらレッドソックスは是が非でも獲得にいっただろう」と悔しがった。その上で、この先6年間、田中がア・リーグ東地区の勢力図を大きく変える可能性を検討。「それほどでもない」としながらも、「状況を複雑にすることは確かなようだ」と警戒した。