【テキサス州ヒューストン31日(日本時間1日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)のメジャー1年目がいよいよ始まる。ヤ軍は1日(同2日)のアストロズとの開幕戦に備え、敵地ミニッツメイド・パークで汗を流した。さすがの田中も緊張しても不思議ではないが、気持ちの高ぶりなどは一切なく、“超自然体モード”だった。

 午後2時10分、主将・ジーターを先頭に続々とクラブハウスへと入る選手たちの中ほどに田中の姿があった。張り詰めた様子はなく、笑みを浮かべているように見えた。午後4時前にナインがグラウンドに集結すると、左翼付近でウオーミングアップ。1時間半ほどの軽めの練習で終了した。

 報道陣に囲まれた田中は淡々とした表情だ。「いよいよ始まるなという…まあ、ありきたりな答えですけど。(とにかく)1年間ローテーションを守るということだけです。まずは明日、メジャーの開幕という雰囲気を味わえるので、それを味わって、感じて(初登板の)トロントに入れればなと思います」

 チームの開幕は1日だが、田中の公式戦デビューは4日(同5日)に敵地トロントで行われるブルージェイズ戦。田中は落ち着いた口調で「(注目されるのは)選手として、うれしいことだとは思う。僕は自分のやるべきことをやるだけ。それが結果的にチームのプラスになればいいと思う。『チームのために』っていうのは、いつも思って投げているので、チームの一つの“駒”となって働けるように投げたいです」と言い切った。

 意気込みに関しては「今から高ぶってても、しんどくなるだけですよ。いつも通りです、はい」と笑みでかわすなど、終始リラックスした様子だった。実は“舞台裏”でも、田中は自然体だった。キャンプ地のタンパからヒューストンまで、初めてチームのチャーター便で移動。ここでメジャーの“しきたり”も初体験するはずだった。

 移動便に乗る際は、主将・ジーターを待たせないように早めに乗るなどをはじめ、機内では新人が水やお酒などを先輩に運んだり、時には「盛り上げ役」を買って出るというもの。田中も1月の仙台での自主トレ時に、メジャー経験者の斎藤隆投手(44)や松井稼頭央内野手(38)から、しっかりアドバイスを受けた。緊張感していたかと思いきや「いや、よく分かんなかったですね」(田中)とケロリ。マイペースで空の旅を過ごしたようだ。

 開幕直前でも、自然体の田中。期待が高まる。