<巨人12-3阪神(30日)>巨人・ロペスが絶好調だ。この日はダメ押しのグランドスラムを含む5打数2安打5打点。開幕3連戦では15打数9安打2本塁打10打点と爆発した。

 今季から燃える闘魂、アントニオ猪木のテーマを入場曲に採用している助っ人はお立ち台に上がると「元気ですかー!」と絶叫。ドームのG党を沸かせた。ロペスは「猪木はストロングガイ。『1、2、3ダー!』も知っているよ。日本の曲はファンも盛り上がる」とニヤリ。すっかり日本野球になじんでいる様子だが、グラウンド内でも変化を見せている。来日2年目の今季は安打を放った後の塁上で派手なガッツポーズを披露しているのだ。

 だが、ロペスといえば、昨年の日本シリーズで派手なガッツポーズを決めた楽天・田中(現ヤンキース)に苦言を呈し、“ガッツポーズ論争”を巻き起こした当事者。どういうことなのか…。

 実はこれが日本球界に順応した証拠だ。日本シリーズ敗退後、ロペスは第6戦で同点2ランを放った際、ベース一周する間に2度も田中を挑発したことを悔やんでいたという。「ロペスが日本で対戦して、最高の投手と位置づけたのが田中。2番目がマエケン。そんな投手にあんなことをしてしまったと後悔していた」(チーム関係者)

 ガッツポーズにイラっとしたのも、自身の頭の中が“メジャー仕様”だったから――。助っ人はこれに気づくことができたのだ。海の向こうでは田中がメジャーでご法度とされるガッツポーズを封印することを明言。日本球界を理解したロペスは派手なアクションを見せるようになり、より熱い男になった。“ガッツポーズ論争”は両者が郷に入っては郷に従うことで一件落着となった。