【フロリダ州タンパ20日(日本時間21日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)が“レジェンドエース”から熱いエールを送られた。巨人でエースとして活躍し、パイレーツでもマウンドに上がった野球評論家の桑田真澄氏(45)が、TBSの番組企画でヤ軍キャンプ地を訪問し、田中と対談。終了後、桑田氏は田中の適応力の高さを絶賛。そして「15勝前後は必ず勝てる」と1年目からの活躍に太鼓判を押した。

 22日(同23日)のツインズとのオープン戦に先発する予定の田中は、キャッチボールや投内連係などの軽めの調整で練習を終えた。

 オープン戦でア・リーグのチームと対戦するのは初だが「(意識は)変わらないですよ。別に向こうも初めてですし、仮にナショナルリーグのチームでも、もしかしたら当たるかもしれないっていうのは一緒だから」と淡々と語った。

 メジャー通算打率3割2分3厘を誇り、かつてイチローと首位打者争いを繰り広げたマウアーとの対戦にも注目が集まるが、田中は「特に思うものはないですね」とキッパリ。「『自分のボールが通用するかな』じゃダメ。そんなんじゃ、ここにはこれないし、きてなかったと思う。どういうふうに勝負していくかってことだと思います」と、勝負師としてのプライドをのぞかせた。

 そんな田中の前に現れたのが桑田氏だ。1990年代の巨人をエースとして支え、2007年にはパイレーツで19試合に登板している。田中との対談後、桑田氏に田中評を聞くと迷うことなくこう断言した。

「順調じゃないですかね。彼の話を聞いてわかったのは、気をつけることを自分で整理してわかっている点。マウンドが高い。高いからどうなるのか、どうしたらいいのか、というのをおそらくわかっていると思うんで、普通にローテーションで回っていけば、間違いなく2桁、15前後は必ず勝てると思う。ピッチャーは打者との相性があり、(味方が)点を取れない日が重なる日というのがある。そういうのを差し引いたとしても15勝前後いくでしょうね」

 太鼓判を押した桑田氏だが、独自の“注意点”を挙げることも忘れなかった。「とにかく1年目は『メジャーってこんな感じだ』というのを経験できたらいい」と前置きしたうえで、こう提言した。「(メジャー選手は)ちょっとリーチがあるので、日本で打たれてないコースが打たれるケースもあるかもしれない。そこでビックリしないで『あ、リーチがあるから届くんだ』っていう、その反省を次回に生かすことができたらいいんじゃないかなと思いますね。僕もそれは最初ビックリしたんで。『あれは届かないだろ』っていうのが簡単に届いたりするんで」

 メジャー経験者ならではの桑田氏の金言。田中の胸に響くはずだ。