<朝井秀樹のおじゃまします> 楽天のドラフト1位ルーキー・松井裕樹投手(18=桐光学園)が13日のオリックス戦(京セラドーム)で5回65球を投げ2安打無失点と好投。オープン戦12回連続無失点に星野仙一監督(67)は「(先発)6人には入る。それも上の方」と開幕ローテ入りを明言し、さらに開幕投手抜てきも否定しなかった。そんな松井裕にただならぬオーラを感じているのが本紙評論家の朝井秀樹氏。さっそく女房役の嶋基宏捕手を直撃すると返ってきたのは驚きの答えだった――。

 どうも、アサイです!

 今回は地元大阪で行われたオリックス―楽天戦におじゃましました。

 古巣楽天への訪問は前回2月23日の巨人戦(那覇)に続き今季2度目となりますが先発は2度とも松井裕クン。思わず運命を感じちゃいました。

 この日もダイナミックな投球で見事、オリックス打線を無得点に抑えました。女房役の嶋に聞くと「マウンドさばきは田中(将大=ヤンキース)の1年目に似ている」と仰天事実を教えてくれました。

 嶋によれば「マウンドでの落ち着きぶりとか所作の一つ一つが田中にそっくり」なんだそうです。誰もが不在を寂しく思う前エースの存在をルーキーがナインに感じさせています。

 さらに嶋は「どんどん自分に質問をしてくる。その質問も新人離れした高度なもの。“三振を取りたい場面で配球が違っていたらどうなっていたか”“走者をためたくない時はどういう攻め方をすればいいか”など積極的に質問してくる。他の若手投手とは全然、違う」と普段の姿についても語ってくれました。

 興味が湧いた僕はグラウンド外の生活を他の楽天ナインにも聞いてみましたが、返ってきた答えは「すごくおとなしい」「ものすごく周りに気を使っている」というものでした。この日も松井裕は「(相手が)初見ですので。長いシーズンで何回も対戦すれば課題も見えてくる」と謙虚。「ずうずうしいくらいのヤツがプロで成功する」という人もいますが、僕はしっかりと周囲に気を配れる選手の方が大成すると思います。

 星野監督も「7勝はしてほしい」と願っている大物ルーキーが田中の1年目と同じ11勝以上の勝ち星を挙げれば楽天の2年連続日本一も十分に可能性があると思います。

 今のところ僕の「おじゃまします」時、松井裕はいつも先発のため、練習中にあいさつをかわすぐらいですが、今度はじっくり話をしてみます。

 (本紙評論家)