滑るボールや硬いマウンドだけでなく、日本とは違う調整にもしっかりと対応するなど、次々に壁を乗り越えているヤンキースの田中将大投手(25)だが、実はグラウンド外で大きな問題に直面していた。それは「散髪」だ。


 日本では行きつけの美容室があり、ほぼ月1度のペースで散髪してきたが、さすがに米国からは通えない。メッツ・松坂などのように、なじみの美容師を日本から呼び寄せ切ってもらうケースもあるが、田中は相手側への配慮もあってそういう選択をせず、悩んでいた。


 本紙にも「どこかいいところないですかね」と打ち明けた田中が希望するのは、日本語で細かくリクエストできる日本人スタッフのいる美容室。しかし、そんな店は観光地・タンパにあるはずがない。もちろん本拠地ニューヨークには日本人スタッフのいる美容室はあるものの、日程的に開幕3カード目の4月7日(同8日)まで帰れない。


 ちなみにヤ軍OBの松井秀喜氏(39)のヤ軍入団1年目は、普段より短く刈って手入れしやすいように軽めのパーマをかけてタンパ入りした。プレー中は帽子をかぶるとはいえ、ヘアスタイルが決まっていないと落ち着かないもの。決してないがしろにはできない問題だ。


 結局、田中サイドがあちこちの関係者に相談し、ニューヨークの日本人美容師の“招聘”に成功。そのかいもあってか、この日、田中のヘアスタイルはビシッと決まっていた。グラウンド外の問題も次々にクリアし、少しずつ足元を固めている田中。すっきりとした状態で、次なる調整へと進んでいく。