【フロリダ州タンパ26日(日本時間27日)】ヤンキースの田中将大投手(25)が“オレ流”でメジャー初登板を迎える。3月1日(同2日)のフィリーズとのオープン戦に向けた最後のブルペン投球を行った田中は、まずは「自分の投球」でぶつかることを強調。一切の予備知識を入れることなく臨むことを明かした。また練習後にはヤ軍の地元ニューヨークのメディアから食事会に招かれたことが判明。“マークン”の存在は辛口なNYメディアにすっかり受け入れられたようだ。

 揺るぎない自信がみなぎっていた。キャンプを通じて初となる中1日でのブルペンでは変化球を交え29球。待ちに待ったメジャーのマウンドについて田中は「まずは自分のしっかりとしたスタイルで投球できればと思っています」と堂々とした口調で言い切った。

 デビュー戦では対戦相手、審判、ストライクゾーンと多くが初体験となる。相手のフィリーズについては「全然わかんないです。あまり(日本では)テレビ中継もされてなかったので」と苦笑いを浮かべたように情報はほとんどない。それでも「自分の投球スタイルで投げて抑えられることが一番いいと思いますけど、相手があることなので、それだけではダメ。そういうものを見てから、またしっかりと投げられればいい」と、まずは自身の投球を貫くことを最大のテーマに掲げた。

 日米で大きく異なるとされるストライクゾーンについては「基本的にはやることは一緒。テレビとかで見てて、やっぱりインサイドは狭いなというイメージはありますけど、それ以外は多分そんなに変わらない。確認という意味でもそんなにいらないのかなとは思います」と余裕たっぷり。「(気持ちの変化は)特にないですね。別にマウンドに立つことが目標でもなんでもない。あくまでも調整の一環としてしか考えていない」とオープン戦とはいえ、初のメジャーマウンドを前にしても気負いは一切ない。

 そんな日本のエースの初陣を“おもてなし”の気持ちで迎えたのはNYメディアだった。この日、ヤ軍番記者がタンパ市内のステーキ店に集った夕食会に田中が招待されたのだ。実はヤ軍1年目の松井秀喜氏(39)もこうした食事会に招待されたが、日にちは3月11日。松井氏より2週間も早い招待は「マークン」の存在が米メディア、とりわけ手厳しいとされるヤ軍番の記者たちに早くも受け入れられた証拠と言えそうだ。世界が注目するマウンドまであと3日だ。