【フロリダ州タンパ25日(日本時間26日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)のメジャー初登板が決まった。ジラルディ監督は、田中を3月1日(同2日)に本拠地で行うフィリーズ戦に、先発サバシア、黒田に続く3番手で投げさせることを発表。当初は3日(同4日)のナショナルズ戦が有力視されていたが、“前倒し”された。なぜか――。

 この日、軽めの練習で切り上げた田中は、オープン戦の登板日について「決まったら正直に言います。(首脳陣とは)話してもいないし、言われてないので」と多くを語らず、球場を後にした。

 その後、事態が動いた。フロリダ州立大との親善試合を終えたジラルディ監督が「CC(サバシア)、黒田、田中が(3月)1日に投げるよ」と明かし、さらにそれぞれ2イニングずつ、35球をメドに投げさせると付け加えた。3本柱の豪華リレーに米メディアが「ワールドシリーズの第7戦のことか?」とジョーク交じりで突っ込みを入れたほどだった。

 田中のメジャーデビューについて、関係者は3月3日(同4日)のナショナルズ戦での先発が濃厚と見ていた。“前倒し”した理由について指揮官は「余裕を持たせるためだ」と語り、こう続けた。「田中には時々、中5日休みを与えたいし、試合のない日が何日かあり、変則的なスケジュールになるので…。その辺は投手コーチが管理してくれるだろう」

 ジラルディ監督の決断の背景にあるのは、田中の仕上がりの早さだ。田中がここまでキャンプ中に投げた球数は、ブルペン、打者を立たせた練習を合計して191球。日本時代と比べると明らかに少ない。首脳陣も心配していたはずだ。しかし、24日(同25日)の2度目の打者を相手にした練習で打者を圧倒。田中は「いつでも(試合に)いけるんじゃないかなという感覚はある」と語るなど順調だ。

 ジラルディ監督は「田中をオープン戦に6回は投げさせる」と話していたが、初登板から数試合は中5日、6日の間隔で投げさせ、中盤以降にメジャー流の中4日へとシフトして開幕を迎えるというものだった。しかし、田中はメジャー1年目。コンディションに配慮しなければならないこともあるだろう。登板間隔がズレれば、タイトなスケジュールになる可能性があった。それだけに繰り上げ登板はうれしい誤算だ。

 田中は26日(同27日)にブルペンで投球する予定。万全の状態でメジャー初の実戦マウンドに上がる。