【フロリダ州タンパ22日(日本時間23日)発】ヤンキースのキャンプ地・タンパは雨の影響を受け、軽めのメニューだった。臨時コーチを務める松井秀喜氏(39)は、今キャンプ初の打撃投手として3人に投げた。

 クラブハウス前に張られたこの日の練習メニューで打撃投手として松井氏の名前が記載された。ところが残念なことに雨の影響で打撃練習は室内練習場で行うことになった。ピンストライプ姿の松井氏が投げる姿を見ようと報道陣が詰め掛けたものの、キャッチボールしている姿はわずかに見えるだけ。打者に向かって投げ始めると視界から完全に消えた。松井氏は「10分くらいかな。15分も投げてない。3人に投げた」と明かした。

 打者の目に打撃投手・松井氏はどう映ったのか。3人のうちの1人だった招待選手のサイズモアは「10球くらい打ったと思う。ボール球は1球くらいで変化もせず打ちやすかった。優秀な打撃投手だったよ」と話した。2011年にアスレチックスでチームメートだった松井氏の投げるボールを打つ日が来るとは思わなかっただろう。

 その松井氏は今後も“登板”が予想されるが、「今日のメニューに入っていただけ。(明日以降は)来てみないとわからない」と素っ気ない。「俺はもう選手じゃないんだからいいんだよ」と言い残して引き揚げた。ジーターやイチローに投げる日はいつか。待ち遠しい。