【フロリダ州タンパ19日(日本時間20日)】今季限りでの現役引退を表明したヤンキースのデレク・ジーター内野手(39)がキャンプ地で記者会見を行った。マリナーズ時代に首位打者や最多安打のタイトルを争ったイチロー外野手(40)は万感の思いで見つめていた。

 会見場の中央から離れた場所でジーターの言葉に聞き入ったイチローは「(引退は)ホントなんだと思いました。(間接的に)聞いてただけだからね」と1歳年下のジーターの引退を惜しんだ。

 イチローが驚いたのはキャンプ前の引退発表をファン向けの交流サイト、フェイスブックで行ったことだった。

「一番ビックリしましたよね。あんまりそういうこと(フェイスブック)をやらない人かなと思ってたから。そっちの方がびっくりしたけど」。その一方で「今日の話を聞くとなんとなくズルズルというのが嫌だから、一日ですっきりさせたいというのがよくわかりました。それも(ジーター)らしいといえばらしいかな」と、心境を察した。

 引退理由を“今まで楽しくやれていたものが苦しみに変わった”という表現で説明したことについては「これは日本人の感覚と大きく違うことだと思いますね。アメリカ人みたいに僕らは(楽しむ、を)『FUN』という言葉は使えないし、これはやっぱり文化の違いが大きくありますね。それは日本語に直した時の意味とはちょっと違うと思うから、それだけではとらえられないことだと思いますね」。かつての好敵手、今や尊敬する主将の最後のシーズン。イチローにとっても特別な1年になる。