【フロリダ州タンパ14日(日本時間15日)】ヤンキースの田中将大投手(25)が、15日(同16日)から行われるバッテリー組のキャンプインを前に会見し、衝撃の事実を告白した。すでにニューヨークとタンパでパパラッチに狙われたというのだ。一方、球団からはVIP待遇のおもてなしを受けた。球場のクラブハウスのロッカーに用意されたのは1年目の選手では異例の“特等席”だった。

 午前8時にキャンプ地・GMSフィールドに到着した田中は、目や歯、X線などの身体検査を受けると、強い日差しが降り注ぐ天然芝のグラウンドへ向かった。中継ぎのレイボーンと約5分間のキャッチボールなど軽めの調整を終えると、当初は行わない予定だった会見を日米に分けて行った。

 前日はマイナー施設で今年初のブルペン投球。日本と比べメジャーのマウンドは硬いといわれるが、「初めて本格的な投球をして、初めてにしてはまずまず投げられたんじゃないかなというのは、自分としての感触です」と振り返った。

 懸念される投球数制限など、メジャー流の調整については「別に自分のやり方を押し通そうとは思っていない」とキッパリ。「こっち(メジャー)はまずどういうやり方なんだっていうのを学びたいので、何かあればもちろん投手コーチとコミュニケーションをとって、そこは話し合いの場を持ってやるとは思います」と柔軟に対応する。

 その田中、私生活では早くもパパラッチの標的になった。「(ニューヨークの)マンハッタンでいきなりパパラッチに何回も追いかけられた。タンパでも車で追いかけられたりとかありますけどね」と明かした。

 まだ、メジャーでは1球も投げていないが、7年総額1億5500万ドル(約158億円)の大型契約を結び、チャーターしたボーイング787で米国入りと世間の注目度は高い。妻の里田まい(29)がタレントであることも知られており、今後もパパラッチにマークされるだろう。ストレスを感じなければいいが…。

 一方、球団からはVIP待遇のおもてなしを受けた。この日はクラブハウスが報道陣に公開されたが、田中に用意されたのは入って左奥隅の“レジェンド席”だった。メジャー最多の通算652セーブをマークして昨季限りで引退したマリアノ・リベラ氏が使っていた場所だ。しかも他のロッカーと比べ、幅がおよそ1・3倍ほど広い。

 球団関係者は「多くの報道陣がロッカールーム中央でごったがえすことを回避するため」と説明した。メジャーでは室内の四隅や柱の隣など、スペースの広い場所は主力やベテラン選手に割り当てられる特等席。ちなみに入り口すぐの左隅はサバシア、右隅はイチローだ。主将ジーターや、投手最年長となった黒田は柱の隣を使っている。

 田中はリベラが使っていた場所というよりも「他の選手より広いことを気にして『いいんですか!?』と恐縮していた」(関係者)という。

 いよいよキャンプが始まる。田中は「いろいろ適応していかないといけない部分があると思うので、見て学んで感じて、自分でやっていろいろと経験できればと思います」と目を輝かせた。メジャーリーガー・田中の1年目がスタートする。