【フロリダ州タンパ13日(日本時間14日)発】ヤンキースの田中将大投手(25)が今季初めてブルペンで投げた。捕手を座らせて23球。スプリットなど変化球を交えた貫禄の投球を見守ったロスチャイルド投手コーチは絶賛した。15日(同16日)から始まるキャンプを前に早くも実戦モードだ。

 田中を乗せた大型車が午前9時にマイナー施設に到着すると、待ち構えていた日米約50人の報道陣が一斉に動いた。

 約20分後、田中はヤ軍のロゴの入ったTシャツと短パン姿で登場。10分ほどキャッチボールすると、ブルペンへ入った。セルベリ捕手を立たせて5球投げると今年初の投球を開始。まずは直球を13球投げ、スライダー、ツーシームを2球ずつ。そして“伝家の宝刀”スプリットを2球投じ、最後は直球4球で締めた。ワインドアップだけではなく、セットポジションの感触も確かめた。

 セルベリは「まだ60%だろう」としながらも「直球が素晴らしくて、メカニック(フォーム)がとてもスムーズ。特にスプリットがグレートだった。タナカに期待すること? 24勝0敗だよ」と笑顔で語った。

 前日の遠投も見守ったロスチャイルド投手コーチは「移動や時差、記者会見などいろいろあったが、それを苦にせずいい仕上がりを見せてくれた。浮かれている感じもなかったし、落ち着いていた」とひと安心といった様子だった。

 しかし、風が冷たかったこともあり「今日はスプリットをあまり投げてほしくなかった」と本音をもらした。

 日本時間8日に打ち上げた仙台での自主トレでは本格的な投球はしなかった。周囲からは調整遅れや投げ込み不足を心配する声が上がっていたが、この日の初投げを見る限りでは不安は全く感じなかった。

 午前10時30分すぎに、報道陣の前に姿を現した田中は無言で施設を後にした。

 しかし、田中は自身のツイッターで「僕は今日、今年初めてキャッチャーの方に座っていただいてピッチング練習しました」「色々と感触を確かめながらの投球でしたが、セットポジションでの投球はまずまずまとまっていました」と感想をつづった。これにレンジャーズのダルビッシュが反応。「座らせて。っていわないのいいねー!皆普通に言うけど違和感半端ないよな」と書き込んだ。

 日本が誇るレジェンド右腕は準備万端でキャンプに臨む。