巨人・宮崎キャンプで臨時コーチを務める松井秀喜氏(39)が12日、原監督の要請で全選手、コーチを対象とした講義を開いた。

 松井氏は野球人生でポイントになったことから振り返った。まずは巨人時代。「長嶋監督から教わったことは練習の大切さ。『毎日(バットを)振りなさい』と言われた。監督が大事にされていたのは“空気を切る”こと。最初はわからなかったが、徐々に一人でもわかるようになった」と素振り特訓の極意を説いた。

 ヤンキース時代にトーリ監督(当時)から「マツイはブルーカラーのプレーヤーだ」と声をかけられた秘話も披露した。ここで松井氏は、星稜高の後輩・高木京に「ブルーカラーってなにか答えてみろ」と逆質問。「青色です」との答えに「違う!」とバッサリやって笑いを誘うと「ブルーカラーとは毎日黙々と働く人たちのことだ。自分もその気持ちでプレーしていたのでうれしかった」と語った。

 最後には「(自分が在籍していた)12年前の巨人にはすごい選手たちがいたが、今ほどは強くなかった。今は12年前のようなもろさはない」と後輩たちの活躍をたたえて講話は終了し、その後の質疑応答で主将の阿部は「ヤンキースのような強豪の選手たちが重要な試合前にどんな準備をしているのか?」と質問。松井氏が「中心選手ほど普段と変わらない」と答えるシーンもあった。約30分に及ぶ“松井塾”は、選手たちにとって濃密な時間だったようだ。