ドジャースのムーキー・ベッツ外野手(28)が20日(日本時間21日)にテキサス州アーリントンのグローブライフ・フィールドで行われたレイズとのワールドシリーズ(WS)第1戦で史上初のダブル快挙を達成し、全米が大盛り上がりだ。「1番・右翼」で先発したベッツは4打数2安打1打点、さらにWSで史上初となる1試合2盗塁2得点1本塁打をマークしてチームの8―3の勝利に貢献した。

 しかし、ベッツの“史上初”はそれだけではない。5回先頭で四球で出塁してすかさず二盗に成功。ツイッター上は「ムーキー・ベッツは我々のヒーローだ! 今の盗塁で、アメリカにいる全員に無料タコスを獲得してくれた!」「タコスにムーキーの名前をつけよう!」「大リーグ史上初、アメリカに無料タコスを2度もたらした選手」など大騒ぎしている。

 タコスとは何か。実は日本でも展開しているファストフード・チェーン「タコベル」が2007年のWSから始めた「ベースを盗んで、タコスを盗もう」キャンペーンのことで、WSで最初に盗塁を決めた選手を表彰し、後日米国にいる全員が同店で無料の「ドリトス・ロコス・タコ」をもらえるのだ。ベッツはレッドソックス時代の18年のドジャースとのWS第1戦の初回に盗塁を決めて、タコスプレゼントを実現している。2度目は史上初なのだ。

 一夜明けた21日(同22日)、USAトゥデー紙(電子版)は「ベッツは2度目の無料タコスを獲得し、一瞬にしてヒーローに」、CNN(電子版)も「ベッツがワールドシリーズで盗塁に成功して無料のタコスを稼いだ」と祝福した。ロサンゼルス・タイムズ紙は「盗塁して、タコスも盗んで、ついでにワールドシリーズチャンピオンシップも盗んでくれ」とベッツのさらなる活躍を期待。ちなみに無料タコスがプレゼントされるのは28日(同29日)。タコベルの特典プログラムに事前登録する必要がある。