【マサチューセッツ州ボストン4日(日本時間5日)発】ヤンキース入りする田中将大投手(25)が一足早く、“デビュー”する。ヤ軍のグループ会社であるYESネットワークの公式サイトは、10日午後7時(同11日午前9時)から、田中が登板した昨年6月9日の巨人VS楽天戦を放送すると発表した。ダイジェストではなく1試合丸々放送するのは異例だ。この試合で田中は巨人打線を相手に7回を3安打、4三振で無失点と好投し8勝目を挙げている。

 同サイトによると、映像をチェックした元メジャーリーガー3氏は揃って絶賛した。ヤ軍の控え捕手だったジョン・フラハティ氏は「私が聞いていたよりも、彼のストレートは少し動いているようで、右打者に対して少し沈んでいた。シンカーと呼ぶには十分ではないが、打者が注意を払うには十分だ。それに彼はスライダー、カッター系のボールをよく投げていた。ストライクも取れていたし、自信があるのだろう」と分析。

 メジャー通算2029安打のケン・シングルトン氏は「とても印象に残ったのは彼のコントロール(の良さ)だ。ストレートは十分だし、いいカーブ、最高のスプリットも持っている。それにカウントが悪くてもカーブやスライダーを恐れることなく投げていた」と絶賛した。

 先発左腕としてヤ軍、メッツなど通算162勝のアル・ライター氏は「彼は素晴らしいスプリットを持っているし、変化が遅く、球速もある。スプリットは変化球のメーンで、スライダーはカーブよりもいい。それに私は彼のマウンドさばきや貫禄が気に入った」と話し、「一度、米国でのルーティンを確立してしまえば、先発1番手になれると思う」と活躍に太鼓判を押した。

 ニューヨーク・ポスト紙(電子版)も「田中の(オープン戦)デビューはまだ1か月先になるが、月曜にはYESでデビューを果たす」と報じた。ヤ軍ファンの目に昨季24勝無敗だった田中はどう映るか、注目だ。