新生西武に「新伊原イズム」が浸透し始めた。西武は28日、埼玉・所沢市内でファン3550人を集め「2014埼玉西武ライオンズ出陣式」を行った。

 昨年、伊原春樹監督(65)が就任直後の秋季練習で通達した「ユニホームの裾問題」は2度目の不祥事で参加を見送った相内を除いた参加全選手がクリア。特に野手のほぼ全員がストッキングをヒザ下まで露出するクラシックスタイルで新指揮官の要求に応えてみせた。

 指揮官は「全員がスパイクを見せていたし、みんな合格。そういうものができれば、他球団に“強い西武が戻ってきた”とプレッシャーを与えられる」とご満悦。またチーム規律を知らず、あごひげをたくわえてきたランサム(前カブス)ら外国人3人には即座にキャンプまでの身なり徹底を指示した。

「米国はヤンキースがそうであるように西武は100年以上続く会社。お客さんに不快感を与えないようにきちんと剃ってきますよ」(伊原監督)と規律の徹底に常勝時代再来の期待を寄せた。

 ただ意外なことに伊原監督のコーチ時代、前回第1次政権時(02、03年)に今回の3禁のような守るべき規律は一切なかった。むしろ、グラウンドで結果を出しさえすれば私生活に口出しはしないのが伊原式だった。その変化を球団関係者は「巨人にいた経験が大きいのでは。時代もグループの方針もコンプライアンス(法令順守)重視に変化してますし」と説明した。

 伊原監督も「巨人に4年間いて、ちょっぴりオレンジの血が入ってる。僕のブルーの血がミックスして数倍(チームは)強くなります」とこれに同調した。