一難去って、また一難だ。楽天関係者が米大リーグ・ヤンキースへの移籍が決まった田中の現地での入団会見がいつになるのか気をもんでいる。というのも、昨秋のドラフトで5球団競合の末に獲得した1位指名の松井裕樹投手(18=桐光学園)の存在感が、田中の動向次第でかすんでしまうからだ。

 27日、松井裕はコボスタ宮城の室内練習場でブルペンに入りし、プロ最多の46球を投げた。2012年夏の甲子園で22奪三振の記録を作った伝家の宝刀スライダーも投げ込んだが、多くのテレビカメラのレンズは、ももクロTシャツを着て自主トレをしていた田中に向けられていた。

 現時点のニュース価値として、松井裕より田中の方が勝っているのは事実。ただ、キャンプが始まったら黄金ルーキーに注目してもらいたいというのが楽天関係者の“親心”でもあり「キャンプ中の報道を何とか松井裕樹一色にしたい。田中の会見が(2月1日の)初日にぶつからないといいんだけど…。(前ヤ軍の大物)ユーキリスの来日が1週間遅れてキャンプではより松井裕に注目が集まるわけだし」と祈るような気持ちでいる。

 田中の入団会見は2月上旬に行われる見込みだが、日付は未定。一軍キャンプの休日と重なればいいのだが…。

 幸いにも、期待のルーキー左腕は「(調子を)上げている状態。順調じゃないですか。ボール自体はいいので思ったところに投げられれば」と仕上がり具合に目を輝かせている。新人9人中ただ1人一軍キャンプに臨む松井裕にも注目だ。