巨人・澤村拓一投手(25)が「88年会」の幹事役に名乗りを上げた。同会は楽天・田中、広島・前田、巨人・坂本が発起人となり、発足したが、現在は活動凍結状態となっている。“ヒラ会員”の澤村がやる気を見せたことで、巨人内では別の期待もふくらんでいる。

 同級生の田中のヤンキース入りに関して、澤村は「海を渡って勝負するわけですから。まだまだ同じ土俵には立てていませんが、努力して追いついていきたいと思っています」と笑顔で切磋琢磨を誓った。

 一方で澤村が気にかけたのは「88年会」の行方だった。同会は一昨年末に発足以来、昨年1月に仙台で大々的に野球教室を行った後は、目立った活動は行っていない。

 これは実質的な旗振り役である田中が今オフはメジャー移籍もあり、それどころではなかったという側面もある。さらに田中が海を渡ることで活動の存続自体が危ぶまれている。

 これに澤村は「今年のオフ以降もできる限りやりたい。野球教室ばかりではなくお年寄りの荷物を持つとかでもいい。率先してやらせていただきたい」と、田中に代わっての旗振り役に名乗りを上げた。

 こうした発言はチーム内で「同世代を引っ張る自覚の表れ。今までは成績で田中、マエケンに水をあけられていたが、今年こそやってくれるのではないか」(球団関係者)と好意的に受け止められている。

 昨年は5勝10敗、中継ぎも経験するなど、苦しいシーズンとなったが、再び先発復帰となる今年は「一番多く勝ち、一番多くイニングを投げたい」と意欲を示している。

 過度なウエートトレーニングを控えるなど、意識改革も進めている。果たして今季、同世代の旗手となるような成績を残せるか。期待は高まっている。