【マサチューセッツ州ボストン13日(日本時間14日)】新ポスティングシステムでメジャー移籍を目指す楽天・田中将大投手(25)の移籍先について、「本命はヤンキース」とする米メディアが多い。そんななか、NBCスポーツ(電子版)などが田中の妻・里田まい(29)が「西海岸を希望している」と伝えたことで、米国内に波紋が広がっている。


 米大リーグの公式サイトは、田中の移籍先を同サイトのコラムニストたちが予想する記事を掲載し、9人のうち4人がヤンキースを挙げた。ヤ軍を推した理由としては「獲得資金がある」「先発としてどのチームよりも獲得を望んでいる」などと分析。マリナーズは2人で、ドジャース、カブス、レッドソックスが各1人だった。米国内では「ヤンキースが有利」とする報道が日ごとに増えている。
 
 ところがこの日、ヤ軍有利とされる状況を一変させる衝撃情報が全米に流れた。里田が西海岸を希望しているというのだ。
 
 NBCスポーツ(電子版)は「田中の妻が西海岸を希望している」と報じ、ニューヨーク・タイムズ紙のウォルドスタイン記者が自身のツイッターで「今、日本ではヤンキースかドジャースが田中の行き先というのが一致した意見だが、彼の妻は西海岸へ行こうとしている」とつぶやいたのだ。
 
 また、田中獲得に熱心な球団の一つであるカブスのファンサイト「カビーズ・クリブ」も、「田中の妻、里田まいは田中が西海岸の球団と契約しようと準備を進めている」と報じ、失望感をあらわにした。西海岸の球団はドジャースかエンゼルス。米メディアは両球団とも田中獲得に動いていると伝えている。
 
 ただ、里田が西海岸を希望する理由を明かしておらず、関係者などのコメントもない。しかし、サンフランシスコ・クロニクル紙のジョン・シェイ記者は10日(同11日)に自身のツイッターで「田中が行きたがっているのはロサンゼルス、ニューヨーク、ボストンの3つの都市」とつぶやいている。やはり有力なのだ。
 
 それにしてもなぜ、ロサンゼルスなのか。考えられるのは住環境だろう。西海岸の気候は温暖で雨が少なく1年を通じて過ごしやすい。日本人コミュニティーも充実している。また、ニューヨークに比べ、日本へのフライト時間は3時間ほど短い。この3点は里田にとっては大きな魅力だろう。愛妻に強く主張されれば、田中も結論を変えるかもしれない。
 
 ヤ軍有利から一転、ド軍、エ軍と三つどもえになった田中争奪戦。交渉期限は米東部時間24日午後5時(同25日午前7時)に迫っているが、決着は全く見通せない。