ツインズの前田健太投手(32)は29日(日本時間30日)にポストシーズン(PS)初戦となる本拠地でのアストロズとのワイルドカードシリーズ第1戦に先発し、5回を投げ2安打無失点、5三振3四球で勝利投手の権利を手に降板したが、救援陣がリードを守れず逆転負けした。チームは2004年からPSで17連敗となり、メジャーワースト記録を更新した。

 16年以来、4年ぶりにPSでの先発マウンドに上がった前田。初回二死から3番ブラントリーに左翼へ二塁打を許すも、4番ブレグマンにはタイミングを外したスライダーで遊直に打ち取り無失点。上々の立ち上がりに見えたが、続く2回は対戦した打者4人全員にボールが先行し、二死から7番コレアには四球を与えるなど、計25球を費やした。

 この日はレギュラーシーズンで無敵だった前田ではなかった。フォーシームは指に引っ掛けて外角に大きく外れ、チェンジアップはことごとく見逃された。捕手のサインに首を振るシーンが目立つなど、リズムも悪かった。3回は三者凡退で片付けたがボール球が先行し、阪神でもプレーしたテレビ解説者のペレス氏は「いつもの前田ではないようですね」と首をひねった。

 3回に1点を先制してもらった直後の4回に大ピンチを迎える。先頭打者は2球で打ち取ったものの、4番ブレグマンを歩かせ、5番タッカーに右前打。6番グリエルは中飛に仕留めたが、7番コレアをストレートの四球。ブルペンで右腕ウィスラーが投球練習を開始。しかし8番の左打者レディックに渾身の投球。バックドアのスライダーから入ってカウントを有利に進めると、ストレートを見せた後、最後はスライダーで空振り三振に奪うと、雄たけびを上げてベンチ戻った。

 これでリズムを取り戻したのか5回はわずか10球で三者凡退。6回もいくつもりだったろうが、ベンチは6回から右腕メイを2番手でマウンドに送った。

 1点リードの7回に3番手の左腕ダフィーが同点に追いつかれ、9回には二死からの失策、押し出し四球などで3失点。あえなく逆転負け。もっとも敗因は中継ぎ陣の乱調だけではない。初回一死満塁の好機を生かせなかった攻撃陣はわずか4安打に終わり、最後まで投手陣を援護できなかった。

 2年連続地区優勝を果たし、第3シードでPSに進出したツインズ。初戦を落としたことで早くも崖っ縁。不名誉な連敗記録を止めて、2連勝しなければ敗退が決まる。