田中争奪戦 ヤンキースに追い風

2014年01月13日 16時00分

【マサチューセッツ州ボストン11日(日本時間12日)発】新ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す楽天の田中将大投手(25)の獲得に動いているヤンキースに追い風が吹いた。米大リーグ機構(MLB)はこの日、薬物規定違反による出場停止処分に異議を申し立てていたアレックス・ロドリゲス内野手(38)に対し、仲裁人がポストシーズンを含む今季全試合の出場停止の決定を下したと発表したのだ。これによってヤ軍はロドリゲスの今季年俸2750万ドル(約28億6000万円)を田中獲得に回すことができ、資金面でがぜん優位に立った。

 

 

 田中は日本時間11日、身体検査や獲得希望球団との面談を行ったロサンゼルスから帰国した。ニューヨーク・デーリー・ニューズ紙(電子版)は「タナカがMLB球団との会談を終え、日本に帰国した」との見出しで、今回の渡米を「約12球団が田中と会い、田中側から(条件提示などの)詳細は出されなかったものの、2000万ドル(約20億8000万円)の譲渡金とは別に総額1億ドル(約104億円)以上の投資が必要であることに変わりない」と報じた。

 

 田中をめぐって激しい争奪戦が繰り広げられているが、サンフランシスコ・クロニクル紙のジョン・シェイ記者が自身のツイッターでつぶやいた通り(本紙昨報)、田中はニューヨーク、ロサンゼルス、ボストンの3都市を本拠地にした球団に絞った模様だ。その中でヤンキース、ドジャース、エンゼルスが有力。ただ、カブス、ダイヤモンドバックスも巻き返しに懸命とされる。

 

 そんな中、MLBは仲裁人がロドリゲスにポストシーズンを含む今季全試合の出場停止の決定を下したと発表した。ロドリゲスは昨年8月に薬物規定違反でMLBから211試合の出場停止処分を科されたが、調査が不適切などとして異議を申し立て試合に出場。調停委員会が再審査を行っていた。もっともAP通信によるとロドリゲスは「1人の仲裁人の判断にすぎず、薬物検査の結果にも基づいていない」などとする声明を出し、法廷で争う意向を示した。

 

 世界一奪回を目指すヤ軍にとって、メジャー通算654本塁打のロドリゲスが抜ける穴は大きい。簡単には埋まらないだろう。しかし、田中獲得には大きなプラスだ。最終的にどんな形で決着するか分からないが、ヤ軍はロドリゲスの今季年俸2750万ドルを払わない前提で、田中獲得資金に回すだろう。

 

 今オフ、ヤ軍はFAの大物選手を相次いで獲得。エルズベリーとは7年総額1億5300万ドル(約159億円)、ベルトランと3年総額4500万ドル(約47億円)で契約した。これによってチームの総年俸は膨れ上がり、田中と契約した場合、ぜいたく税の規定1億8900万ドル(約197億円)を大幅に超えることは確実だった。2750万ドルは大きい。

 

 また、ヤ軍は10日(同11日)、外野手のウェルズを戦力外としてメジャー契約の40人枠から外した。ウェルズは昨年、エ軍から移籍した際、2年4200万ドル(約43億7000万円)が残っており、ヤ軍は1300万ドル(約13億5200万円)を負担。今季年俸分650万ドル(約6億7600万円)が浮いた。

 

 資金面に余裕が生まれたヤ軍。争奪戦で一歩リードといったところか。