光ったのは制球力と守備だった。ツインズの前田健太投手(32)は6日(日本時間7日)に敵地でのパイレーツ戦に先発し、6回を投げ、3安打3失点、4三振1四球と好投したが、3勝目を逃した。2点リードの7回からは救援陣にマウンドを託したが、チームは最終回に2点を奪われ、5―6でサヨナラ負けを喫した。

 初回、10球で三者凡退と素晴らしい立ち上がりを見せた。続く2回は遊撃内野安打、右前打で無死一、二塁のピンチを招くと、6番ポランコに右中間場外へ飛び出す特大の同点3ランを浴びた。「(本塁打は)油断してしまったというか、ストライクを取りにいってしまった。もったいなかった」と反省。その後、3、4、5回はテンポのいい投球で走者を許さなかった。

 6回は先頭フレージャーが初球をセーフティーバント。前田は抜群の反応で三塁前に転がったボールを素手で捕ると、バランスを保ったまま一塁へ送球。ストライクが一塁手のミットに収まった。「アウト」のコールにフレージャーは信じられないといった表情で、テレビの解説者たちも絶賛。まさに、ゴールドグラブ賞級のフィールディングだ。5回二死でもダイソンのセーフティーバントを鮮やかに処理している。

 その後、二死から3番ベルにストレートの四球を与えるも、4番モランを一ゴロに仕留め無失点で切り抜けた。球数は80球だったが、6回限りで降板となった。「しっかりゲームをつくれて、自分にとってはいい登板になった」と納得だ。

 今季3勝目を逃したものの、80球中53球がストライクでストライク率66%の制球力、テンポの良い投球、素晴らしいフィールディングと、随所に“らしさ”を発揮したマエケン。2回の一発がもったいなかったが、新天地では頼れる右腕としての地位を確立しつつある。次の登板が楽しみだ。