因縁のアストロズVSドジャースでコロナ時代の“乱闘” 183センチ以内に近づいたら罰金

2020年07月30日 11時00分

怒るコレア(右)にドジャースの(左から)ロバーツ監督、ベリンジャー、カーショーがベンチを飛びだした(ロイター=USA TODAY Sports)

 これが新型コロナウイルス感染拡大下の新様式の乱闘――。28日(日本時間29日)にテキサス州ヒューストンで行われたアストロズ―ドジャース戦の6回裏終了後、両軍ベンチが総出でフィールドでにらみ合い一触即発となった。

 きっかけはドジャースの中継ぎ右腕ケリーだ。ブレグマンとコレアの頭をかすめる投球を連発。さらに三振に倒れたコレアに向かってマウンドを降りながら唇を曲げ、舌を出して挑発した。怒ったコレアは言葉で応酬。すると両軍ベンチはフィールドになだれ込んだ。

 実は今季の開幕前からこのカードは大乱闘が予想されていた。2017年のワールドシリーズで激突し、アストロズが4勝3敗で制した。しかし、昨年11月に同年のアストロズがサイン盗みを行っていたことが発覚。遺恨に発展していた。ケリーは17年はレッドソックスの所属だが、地区シリーズでアストロズに敗れている。

 報復投球に挑発行為…。大乱闘に発展するかと思われたが、審判員がソーシャルディスタンスを守るように注意。パンチが飛び交うことも激しい言葉のやりとりもなく、選手たちがある程度距離を取ってにらみ合うだけという奇妙な光景が展開された。これが新型コロナウイルス感染拡大が続く中での新たな乱闘ということか。

 米大リーグ機構(MLB)は新型コロナウイルス感染防止のため、指針で審判や相手チームに抗議を行う時は6フィート(約183センチ)以内に近づかない。守らなかった場合、退場や罰金などの処分を科すと発表している。

 騒動から一夜明けた29日(同30日)にMLBは相手打者に危険球を投げ、挑発行為をしたことがベンチ総出につながったとしてケリーに8試合、ドジャースのロバーツ監督に1試合の出場停止処分を科した。ロバーツ監督は受け入れて29日の試合の指揮は執らないがケリーは異議を申し立てた。

 28日の試合後、ケリーは「うまく投げられなかった。投球の感覚をつかむのに苦労した」と報復を否定したが、コレアと変顔でやり合う動画はSNSで拡散され全米で話題になった。ドジャースナインの中から“Tシャツにしたい”との不謹慎な声も上がっているという。遺恨は終わらない。