エンゼルスの大谷翔平投手(26)は右ヒジ手術後初、693日ぶり登板から一夜明けた27日(日本時間28日)の敵地オークランドでのアスレチックス戦に「3番・DH」でスタメン出場し、4打数無安打で3三振だった。チームは0―3で敗れた。

 26日(同27日)の同カードに先発した大谷は一死も取れずにプロ最短KO。30球でストライクは15球、3安打3四球5失点と散々な内容で敗戦投手になった。試合後、マドン監督はDHでの起用をほのめかしていた。

 大谷が登板翌日に野手でスタメン出場したのはメジャーでは初めて、日本ハム時代は1度だけだ。2016年9月21日のゲーム差なしで迎えた敵地でのソフトバンク戦に「8番・投手」のリアル二刀流で8回を4安打1失点(自責点0)と好投し、打っては左翼線二塁打。チームは2―1で辛勝し、首位に立った。翌22日のソフトバンク戦は「3番・DH」で出場し、4打数2安打1得点の活躍でチームの5―2の勝利に貢献している。

 投手での屈辱をバットで取り返したいところだが、果たせなかった。1打席目は初回一死二塁の先制チャンス。相手先発は右腕バジットだ。カウント1―2から3球連続ファウルで粘ったが、7球目の外角高めのボール気味の94マイル(約151キロ)のカットボールにバットは空を切った。

 3回二死一塁は初球の外角高めの83マイル(約134キロ)のチェンジアップを積極的に打ちにいったが、中堅への浅い飛球だった。

 3点を追う6回先頭は2番手の右腕スミスと対戦。カウント2―2から真ん中低めの96マイル(約154キロ)のフォーシームで空振り三振に倒れた。

 8回無死一塁は左腕ディークマンに手玉に取られた。外角低めを見逃し、真ん中高めを空振り、最後は94マイルの内角低めのフォーシームを窮屈そうに振らされ3球三振。

 自分のスイングをさせてもらえなかった大谷。アスレチックスに徹底的に研究されている上に、KOのショックも残っているだろう。マドン監督は試合後のオンライン会見で大谷について「少し(感覚が)オフだったね。彼の打席での調子も戻してあげなきゃならない。昨日のこともあって、確かにいろいろ考えていることもあるだろうけど、こういうのは、忍耐強くやるしかない」とかばった。窮地から自力で抜け出すしかない。