大谷693日ぶりマウンドはまさかの初回無死KO プロ初屈辱の原因は…

2020年07月27日 09時33分

初回、捕手のカストロ(右)とマウンドで言葉を交わす大谷。表情はさえない(ロイター=USA TODAY Sports)

【カリフォルニア州オークランド発】二刀流復活もまさかの大炎上――。エンゼルスの大谷翔平投手(26)が26日(日本時間27日)の敵地アスレチックス戦で2018年9月2日以来、693日ぶりに先発マウンドへ上がったが、一死も取れずにプロ最短の0/3回、3安打3四球、5失点でKOされた。

 最速101・1マイル(約162・7キロ)を誇るが、この日のMAXは95マイル(約152・4キロ)だった。新型コロナウイルスで沈滞ムードのメジャーの救世主と期待された大谷に何が起こったのか。次は大丈夫なのか。

 大谷の名前が無観客のスタジアムにコールされる。マウンドの足場をスパイクで固め、投球練習を行う大谷も感慨深いものがあったに違いない。18年9月2日のアストロズ戦以来、693日ぶりのメジャーのマウンド。しかし、待ち受けていたのはあまりに厳しく、つらすぎる現実だった。

 初回、先頭のセミエンに投じた第1球は真ん中への92マイル(148・8キロ)の直球。しかし、2球目94マイル(150・4キロ)の直球を中前に運ばれると、少しずつ現実とイメージのギャップを感じるようになる。

 続くラウレアーノにはカーブ、スライダーと変化球を交えるもフルカウントから四球。さらにチャプマンに対しては直球の制球も定まらずに連続四球でいきなり無死満塁のピンチを招いた。

 ここでギアを上げたか、4番、左打者のオルソンへの2球目でこの日最速の95マイル(152・4キロ)を計測。ここから150キロ台の直球で押したものの、ストライクゾーンを外れまさかの押し出し。途中、大谷自身が首をかしげる場面もあった。

 なおも無死満塁。投手コーチが間を取ったあと5番キャンハ。ここから少しずつ制球できるようになったが、本来の球威、キレではない。フルカウントからの9球目、外角91マイル(145・9キロ)の直球を右前に流し打たれ、2者が生還し3失点。無死一、二塁となるも、グロスマンには初球カーブでストライクを取った2球目、スライダーを右前に運ばれさらに1失点――。ここでマドン監督がゆっくりとマウンドに向かった。

 一死も奪えず、なおも一、三塁に走者を残したまま、背番号17は厳しい表情で屈辱のマウンドを降りた。先発して0/3での降板はメジャー初どころかプロ最速。一体、何が起こったのか。考えられるのは実戦での投球が足りなかったことだ。18年10月のに右ヒジのトミー・ジョン手術をした大谷の実戦は紅白戦の3試合だけ。変則ルールで3回相当50球7四球、4回相当64球5四死球、5回相当73球4四球。制球は改善されたが、味方相手では実戦勘は養えないだろうし、ケガをさせるわけにはいかないので内角を厳しく攻めることはできない。

 通常、トミー・ジョン手術をした投手はマイナーで3試合程度の調整登板を経てからメジャーのマウンドに立つ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でマイナーリーグが中止になったことは仕方がないとはいえ痛かった。また、毎週日曜日の登板と決めたため、直近のオープン戦にも登板できなかった。

 手術明け、実戦不足ということを考えれば、仕方がない結果だろうが、大谷の実力を知る関係者は〝大谷ならやってくれる〟と思っていただけに衝撃だろう。しかし、この1回の大炎上で二刀流の価値が下がるわけはない。大谷の潜在能力は図抜けている。次回は8月2日(同3日)のアストロズ戦が濃厚。昨季のア・リーグ王者を蹴散らす投球に期待だ。