ヤンキースの田中将大投手(31)は16日(日本時間17日)に頭部に打球の直撃を受けた4日(同5日)以来、初めてブルペン入りして投球練習を再開した。ブレーク投手コーチによると全球種にわたり30球を投げ、速球は88~91マイル(約142~146キロ)を計測。軽度の脳振とうと診断された影響は感じなかったという。

 ブレーク・コーチは満足げな表情でこう語った。「我々が期待していた以上に力を入れて投げていた。非常に好ましいステップを踏んでいる。最初のブルペンとしてはすべての球種が鋭かった。すごくキレがあった。私は彼が非常に良い状態にあると感じている」

 次のステップに関しては19日(同20日)に再びブルペンで投球練習を行った後、「来週早々には打者に対して投げられると期待している。それで再び判断したい」。本拠地ヤンキー・スタジアムで実戦形式の投球練習のマウンドに上がり、打者と向かい合った際に、どう体が反応するかをチェックする意向だ。

 マウンドで打球を頭部に受けた場合、投手によっては精神的な恐怖が残ってその後の投球に影響することもある。ブレーク・コーチは「マサ(田中)は本物のプロフェッショナルでメンタルが非常に強い。脳振とう後のプログラムは順調で、多くの不安なしに状態を再び高いレベルへ持っていけるだろう」と万全な状態での復帰を確信していた。

 ブーン監督は15日(同16日)に「我々は急ぎたくない」と慎重な姿勢を示したが、早ければ今月下旬の実戦復帰も見えてきた。