【マサチューセッツ州ボストン発】新型コロナウイルスの影響により今季開幕の見通しが立たない中、米大リーグ機構(MLB)は7日(日本時間8日)に「積極的に多数のプランについて考えており、一か所(の都市)で行うことも話し合っている」ことを明かした。一方、「どのプランについても連邦政府を始め州、地元の自治体、それに選手会から承認を得ていません」との声明を発表した。

 これはAP通信が6日(同7日)に15球団がキャンプを行っているアリゾナ州フェニックス近郊での無観客による公式戦開催案をMLBと選手会が協議していると報じたことを受けたものだ。飛行機移動や、ホテルのチェックイン等を繰り返す必要がなく、選手や関係者の感染リスクを抑えられる。また、もう一方のキャンプ地であるフロリダ州と比べ、各球場間の移動時間が最長でも1時間程度であることもプラスだ。

 MLBが否定しなかったことから、アリゾナ州に本拠地を置くダイヤモンドバックスを除く29球団がそれぞれの本拠地での開催を諦め、かつ無観客で実施という前例のない開幕になることはほぼ確実だ。米スポーツ専門局ESPNのパッサン記者はロボット審判導入や、MLBが米国で最初に再開するプロスポーツになる可能性があると伝えた。