【ロサンゼルス発】「クリスマスにワールドシリーズを開催しよう」。すご腕代理人のスコット・ボラス氏のこんな爆弾提案をロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)が25日(日本時間26日)に報じた。

 ボラス氏はこのオフのFA市場の“主役”だった。昨季のア・リーグ奪三振王右腕のコールを投手史上最高額の9年3億2400万ドル(約356億円)でヤンキース入りさせ、昨季のナ・リーグ最多勝右腕のストラスバーグはナショナルズと7年2億4500万ドル(約270億円)で再契約するなど、まとめた契約が総額10億ドル(約1100億円)を超えた。

 同電子版はボラス氏が、コロナ禍により開幕延期中のメジャーが再開した時のスケジュール案として「6月1日(同2日)開幕で162試合、7月1日(同2日)開幕で144試合、ともにポストシーズンは12月開催」を米大リーグ機構(MLB)に提出したと明かした。

「どこにも行けないから、ちょうどいいプロジェクト」とのことだが、ボラス氏の提案によれば、ポストシーズンは12月3(同4日)~26日(同27日)に設定されており、ワールドシリーズ第6戦はクリスマスの日に行われる。

「全て計算したんだ、気温なども全部調べて。カリフォルニア南部の12月の気温は華氏67度(摂氏約19度)で、割とどの都市の3月下旬や4月上旬よりも暖かい。ポストシーズンで使えるスタジアムは11ある」

 ポストシーズンは休養日はなく、温暖な都市かドーム球場で開催するとし、ロサンゼルス、アナハイム、サンディエゴ、マイアミ、シアトル、アリゾナ、トロント、ヒューストン、ミルウォーキー、セントピーターズバーグ、アーリントンを挙げた。

 ポストシーズンに進んだチームが本拠地で戦えない可能性もあるが、ボラス氏はこれまでニュートラル・サイト(中立地)でのワールドシリーズ(オールスター戦やNFLのスーパーボウルのように都市を事前に決める形)を提唱していた。事前計画が立てやすく、協賛なども取りやすいとのメリットを挙げた。

 ボラス氏は「私が話している選手らは、できればシーズン全日程をこなしたいと話していて、実際にそれが可能であることを論理的にMLBに伝えようとしているんだ。これまでのプレーオフ開催と違うだけで、場所はある」と訴えた。

 10、11月にプレーするには、都市によっては寒さが厳しいところもあるが、それらの都市での試合は前半に組み、寒い時期は最小限にするという。また、7月1日開幕となると十数試合はダブルヘッダーが必要になるが、選手登録枠を26人から30人に拡大するなどで対応可能だとした。

 米スポーツ専門局ESPNは25日にMLBと選手会は今季の162試合消化は困難と認識、ポストシーズンの11月開催、週2度までのダブルヘッダー開催などを協議していると報じた。ボラス氏の提案は受け入れられるか…。