【アリゾナ州テンピ発】エンゼルスの大谷翔平投手(25)は3日(日本時間4日)に敵地でのインディアンスとのオープン戦には出場せず、キャンプ地で調整した。居残り3人組のフリー打撃では36スイング中13本の柵越えを放った。

 バッティング手袋の色を白から黒に変えて臨んだ大谷は打撃ケージに入ると、最初に両足の幅が一定になるよう、バットを利用して測った。バットのヘッドを左足つま先前に置き、次にグリップを倒して右足つま先前に下ろして構えに入った。そして昨季までの打撃フォームに近いノーステップ打法でスイングした。

 キャンプ初日から大谷はレッグキックと呼ばれる右足を上げる新打法に取り組むなど、試行錯誤を繰り返している。しかし、この2日間は室内ケージでひたすら打ち続けたことで理想のステップ、スタンスを見つけたようだ。

 この日のフリー打撃はまさに大谷ショー。主砲トラウトでもめったに直撃することのない鉄板製の中堅バックスクリーン越えの一撃や、右中間に自生する高さが10メートル以上あるヤシの木の葉を直撃する推定145メートルの特大弾を放つなど、強烈な打球を連発。スイングの軌道がほぼ完璧ということだ。

 打撃の合間、大谷はケージの後ろで観察していたマドン監督から話しかけられ、テークバックを取る際に右肩が内側に入る動きについて意見を交換する場面もあった。ただ、特大の一発にも表情を崩すことはなく、それがむしろ、充実感を漂わせていた。

 今キャンプでは3度ブルペンに入っている大谷。最速87マイル(約140キロ)だが、全球種を投げている。二刀流完全復活に順調だ。