レッドソックス のアレックス・バードゥーゴ外野手 入団会見で真実激白と憧れの地・ボストンへの思い

2020年02月22日 11時00分

レッドソックスへ移籍したバードゥーゴ(ロイター=USA TODAY Sports)

【元局アナ青池奈津子のメジャー通信=アレックス・バードゥーゴ外野手(レッドソックス)】「(性的暴行の)申し立てには僕の名前もあって、すごくつらいし心が痛い。僕は新しいチームに野球をしに来た。レッドソックスが優勝するのを助けるために来たのであって、気が散る要因にはなりたくなかった。真実を自分の口から、自分の立場から聞いてもらう必要があった。過去を掘り起こすのもメディアの仕事なのは分かる。ボストンのファンには誰かの記事や書き込みだけで僕を評価してほしくなかった」

 前田健太投手を含む、なかなかドラマチックな展開となった3チームが絡んだ今回のスプリングトレーニング直前のトレード。ドジャースはボストンのスター、ムーキー・ベッツ獲得に成功したことで華々しく、ツインズは即戦力の先発投手を迎えられたと前田に熱烈な歓迎をしているのに対して、ボストンのファンからかなり辛辣な歓迎を受けているのが、ドジャースの生え抜きだったアレックス・バードゥーゴ。

 けがの状況やマイナーリーグ時代に関係したとされる事件のことなどを聞かれるのは仕方がないが、陽気なメキシカンでドジャースの愛されキャラだった彼が、入団会見であまりにシリアスでつらそうだったので、この場を借りて擁護したくなってしまった。

 アレックスといえば、常に明るく元気で何事にも全力、裏表のなさそうなタイプ。ド軍の雰囲気づくりに間違いなく貢献していたから、彼がけが(今回、背中の疲労骨折だったと明かされた)で離脱した8月以降、チームはどこか寂しくなってしまった。

 レッドソックス初会見の約3時間前。新しいロッカーの準備をしていたアレックスに話しかけると「そうか、ケンタもこの街だったね!」。少し疲れているようにも見えたのに一瞬にして相好を崩し、優しい笑顔で一気に話しやすい雰囲気をつくってくれた。

 偶然にも移籍先の2球団のスプリングトレーニング施設はフロリダのやや田舎であるフォートマイヤーズに位置している。「直前だったから、慌ててロスやアリゾナの家をキャンセルしてここで新しい家を探して…。ようやく新しいチームメートやコーチスタッフにあいさつをしているところ。すべてが新しくて結構エキサイティングだよ」。話してみると想像以上に大人びていたアレックスだったが、レッドソックスを語る時だけまるで少年のようにあどけない笑顔になった。

「ドジャースは確かにドラフトから6年間お世話になったファミリーだけど、実はね…幼いころからデビッド・オルティスが憧れでレッドソックスのファンだったんだ。マニー・ラミレスにケビン・ユーキリスも大好き。グリーンモンスターに初めて行った時はうれしすぎて3か所にサインしたくらいだよ。トレードされるのは皮肉だったかもしれないけど、移籍するならレッドソックス以上に行きたいチームはなかったんだ」

 この移籍でアレックスがチームに合流してまず行ったのが、自己紹介で先の事件(※)についてチームメートらに真実を告げることだったそうだ。真相は明かされていないが、ロン・レニキー監督は「彼が言っていたことに納得したよ」と話した。警察や球団の捜査でも、彼に過失がないことは認められている。

 20分以上にわたる会見で、半分近くが事件に対する質問だった。一切逃げずに「自分がいいやつだと知ってもらいたい。大きな心を持っているやつだと。いいプレーを見せて、認めてもらえるようになりたい」。真正面から答えるアレックスはタフでカッコ良かった。ボストンのファンにも伝わっただろうか。

 ドジャースからいなくなるのは個人的にはとても寂しいのだが、赤のユニホームは、青より似合っているんじゃないかと思う。

 ※バードゥーゴがマイナー時代、自身を含むドジャースのマイナー2選手と3人の女性がキャンプ中に選手の部屋でパーティーをした際、泥酔して吐いた17歳の少女を他の女性2人が暴行。バードゥーゴとは別の選手による性的暴行もあったと報じられた。

 ☆アレックス・バードゥーゴ 1996年5月15日生まれ。アリゾナ州出身。左投げ左打ち。2014年のMLBドラフト2巡目(全体62位)でドジャースから指名されプロ入り。17年9月にメジャーデビュー。強肩強打の外野手として、同年は15試合に出場、18年は37試合と着実に力をつけると、19年は開幕ロースター入り。8月に故障で離脱するまでの106試合で打率2割9分4厘、12本塁打、44打点とブレークした。17年のWBCにはメキシコ代表として出場した。

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