【フロリダ州タンパ発】ヤンキースの田中将大投手(31)がバッテリー陣集合日の12日(日本時間13日)にキャンプ地で取材に応じ、楽天時代の恩師で10日(同11日)に死去した野村克也さんに「僕にとって、このプロ野球の世界に入ったときの最初の監督。本当に一からいろいろなものを教えていただいた」と感謝の念を口にした。

 野村さんの息子で楽天の野村克則作戦コーチから訃報を受けたときは「言葉にならなかった」と言う。テレビ収録の際にあいさつした2017年以来の再会はかなわず「まさか、それが最後になるとは思わなかった」と無念そうに振り返った。

 野村さんには投手としての心構えや野球の奥深さを学び、監督退任後にも生かした。球団初のリーグ優勝を決めた13年の西武戦。9回に救援登板し「困ったときの原点」の外角低めの直球を8球続けてピンチをしのぎ、胴上げ投手になった。「ずっと口酸っぱく教えていただいたこと。本当にピンチの時に、その言葉がふと降りてきて、それを自分で体現することができた。すごく大きな出来事だったなと思う」と述懐した。