【ワシントン州シアトル発】ヤンキースの田中将大投手(30)が27日(日本時間28日)、敵地でのマリナーズ戦に先発し、7回を3安打無失点、7三振1四球で、日本人メジャー初の6年連続2桁勝利となる10勝目(7敗)を挙げた。相手先発の菊池雄星投手(28)との日米通じての初対決にも貫禄の圧勝。チームは7―0で勝った。

 熟練の投球だった。フォーシームを見せ球にスライダー、スプリットを操ってマリナーズ打線を手玉に取った。4回まで許した走者は四球の1人のみ。6―0の5回、先頭シーガーに右翼へ二塁打されたが、5番マーフィー、6番ボーゲルバックをスライダーで連続三振。ロペスの遊撃内野安打で二死一、三塁とされたが、ゴードンをスプリットで一ゴロに仕留めて無失点で切り抜けた。

 7回も先頭ナルバエスに左翼線に二塁打されたが、シーガーをスライダーで左飛、マーフィーをスライダーで空振り三振、ボーゲルバックをスプリットで中飛に仕留めた。菊池が「コントロールや全体的なバランスとか、自分がこれから勝つために必要なものを勉強させてもらった」と脱帽した完成度だ。

 節目の白星を手にした田中は「もちろん日本人初ということは、うれしく思う」と喜んだ。それでも「日本人というくくりをなくせば、もっと長く勝ち続けている人たちはいる」と満足した様子はない。目標は自身初、チームでは2009年以来の世界一だ。切り替えて次のマウンドに上がる。