菊池雄星メジャー初完封!日本人4人目の「マダックス」達成

2019年08月20日 11時00分

メジャー初完封に笑顔を見せる菊池(ロイター=USA TODAY Sports)

【カナダ・トロント発】マリナーズの菊池雄星投手(28)は18日(日本時間19日)、敵地でのブルージェイズ戦に先発し、メジャー初完封で9試合ぶりの5勝目(8敗)を挙げた。許した走者は2安打1四球による3人だけ、三塁を踏ませない堂々の投球だ。日本人投手の1年目の完封は4人目。球数はわずか96球、米国では100球未満の完封を「マダックス」と呼ぶが、日本人投手では2017年4月のヤンキース・田中将大投手(30)に次いで4人目の達成となった。

 9回二死無走者、打者はビジオ。カウント2―2からの5球目、内角高めの渾身の94マイル(約151キロ)のフォーシームでバットに空を切らせた。鮮やかな三振締め。小さくガッツポーズする捕手のマーフィーと笑顔でハグした。96球での完封劇。日本人投手4人目の「マダックス」達成だ。

 初回、先頭ビシェット、ビジオを2者連続空振り三振、3番グリチェクは3球で中飛と10球で三者凡退。2回は8球で三者凡退。3回は先頭ドゥルーリーに左翼線への二塁打を許したものの、後続を簡単に5球で片付けた。

 4回一死からグリチェクに左前打されたが、4番、5番を打ち取った。5回に先頭テレスを歩かせたが一死後、8番ジャンセンを三ゴロ併殺打に仕留めると、6回以降は走者を許さなかった。

「ずっと直球が課題だったけど、今日はコースも良かったし、カウントも取れた。そこが一番、前回とは違う。チャンスを逃したくないという思いで、最終回は少し気持ちを入れて投げた」

 テンポ良く、ストライクを投げ込んだ。フォーシームのMAXは94マイルだが、球速以上に威力があった。高めを嫌な角度で外野に何度か打ち上げられたが、いずれも上空で失速。ほぼ定位置で外野手のグラブに納まった。今季はメジャー2位タイの31被弾しているが、危なげなかった。

 フォーシームに威力があるからこそ変化球も効いた。カーブ、スライダー、そして取り組んでいるチェンジアップでタイミングを外して、楽々打ち取ることができた。

 この日は何よりコントロールが良かった。四球は一つ出したものの、打者29人中、初球ボールは6人。3ボールは四球を含めて2度だけだった。
 打線も好投の菊池を援護。2回にシーガーの16号ソロで先制すると4回に2発で中押し、7回にソロ弾で駄目押しすると、9回には適時打で2点を加えた。

 4勝目を挙げた6月23日(同24日)以降、8試合白星なしで3敗。クオリティースタート(6回以上投げ、自責点3以下)は2度あったが、5回まで持たなかったケースも3度。13本塁打を浴び、先発失格の烙印を押されかかった。この1勝で信頼を取り戻せるとは断言できないが、アピールできたことは間違いない。

 悩んでいた菊池にとってはきっかけになる大きな白星だろう。レギュラーシーズン終了まで40日ほど。何度、先発マウンドに上がるか分からないが、この日の投球を続ければ、結果は必ずついてくる。左腕を振るだけだ。

【日本人投手4人目】米国では100球未満の完封を「精密機械」と呼ばれた通算355勝の米野球殿堂入り右腕グレッグ・マダックスにちなみ「マダックス」と呼ぶが、達成した日本人投手は4人目だ。ブルワーズ・大家友和が2005年6月14日のデビルレイズ(現レイズ)戦で98球、ドジャース・黒田博樹が08年7月7日のブレーブス戦で91球、ヤンキース・田中将大が17年4月27日のレッドソックス戦で97球で完封している。菊池の96球は黒田の91球に次いで2番目の少なさだ。

 日本人投手の完封勝利は10人目で、27度目。最多は野茂の9度。黒田が5度、田中が4度と続き、伊良部秀輝と石井一久が2度ずつマーク。マック鈴木、大家、ダルビッシュ有、岩隈久志が1度ずつ達成している。

 ちなみにメジャー1年目の完封は1995年の野茂(3度)、08年の黒田(2度)、14年の田中(1度)に続き4人目だ。