【テキサス州ヒューストン5日(日本時間6日)発】25歳の誕生日を迎えたエンゼルスの大谷翔平投手は前半戦最後のカードである敵地でのアストロズ戦に「3番・DH」でスタメンに名を連ね、左足に自打球を当てて2試合欠場していたプホルスが「5番・一塁」で復帰した。
前日までの最近10試合で33打数16安打、打率4割8分5厘と絶好調の大谷は、グラウンド外でも“数字”を上げている。大リーグの公式オークションサイトでは、エンゼルスの後半戦スタートとなる13日(同14日)までの期間で大谷が使用したヘルメット、バッティング手袋、ロッカーのネームタグ、そして折れたバットが出品されており、左頬、あごを保護するガードが付いた今季版のヘルメットは11人が入札した時点で1420ドル(約15万4000円)。折れたバットは5月14日のツインズ戦の6回に単打を放った際のもので、16人の入札時点で3320ドル(約36万円)の高値をつけている。
6月中旬に2割7分前後で推移していた打率は3割1分まで上がってきた。ここからさらに成績を良くする上で“第1関門”となるのが、この日の相手先発バーランダーだ。2011年にはリーグMVPとサイ・ヤング賞に輝いているメジャー屈指の214勝右腕とは昨季5度対戦し、14打数3安打で打率2割1分4厘。初顔合わせとなった昨年5月16日には4打数無安打3三振と圧倒された。それでも3度目の対戦となった同8月25日に二塁打と本塁打を放つなど意地も見せている。
今季初対戦となった初回の第1打席は2番トラウトが四球を選び、一死一塁で巡ってきた。初球の直球を空振りし、2球目のカーブは見送ってストライク。あっという間に追い込まれる。3球目のカーブはホームベースの手前でワンバウンドしたが、始動していた大谷のバットは止まることなく空振り三振を喫した。
3回、カルフーンの2ランで逆転し、二死走者なしで迎えた第2打席では大谷が魅せた。カウント1―0からの2球目。狙いすましたように高め直球を一閃すると、打球はバックスクリーンに一直線。5戦連続安打となる13号ソロは急逝した僚友スカッグスへの手向けの一発でもあった。粛々とダイヤモンドを1周した大谷はプホルス、カルフーンと丁寧なお辞儀をしながら握手。ベンチではナインと喜びを分かち合った。