【マサチューセッツ州ボストン発=】米大学野球伝統のサマーリーグ「ケープ・コッド・ベースボール・リーグ」の10チームは27日(日本時間28日)、レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークで守備、打撃などの練習を行った。

 来年6月の大リーグドラフト候補でウェアハム・ゲイトメン所属の大塚虎之介外野手(21=サンディエゴ大2年)は「みんな真剣で、いい刺激になっています。大学と違って、ここではみんながプロを目指しています」と話す。俊足巧打が持ち味で主に1番で起用されるが5番に座ることも。現在、パドレス傘下3Aでブルペンコーチを務めている父・大塚晶文氏(47)からは「全力でやってこい」というメッセージを送られたそうだ。メジャー全球団のスカウトがスタンドに集結したこの日の練習は、リーグ戦以上にショーケースの意味合いが強く、打撃ケージに入る際など、毎回、名前、大学名、背番号がアナウンスされた。

 実はこの球場は大塚家にとって因縁の場所だ。2007年6月30日、レンジャーズでセットアッパーを務めていた父はレッドソックスを8回から1回を1安打無失点に抑え、10ホールド目をマーク。翌7月1日も8回から登板し、二死からバリテックに二塁内野安打を許したところで緊急降板。右ヒジを痛めた父はその後、トミー・ジョン手術を何度も受けた。結果的にメジャー最後のマウンドになった。

 当時、サンディエゴの自宅にいた長男の虎之介はまだ9歳。「父のそのことを思い出すと寂しいですけど、僕は小さかったのであまり記憶にないんですよね」。それよりもドラフトで指名される可能性があるからか、「小さい頃から、一度、フェンウェイ・パークに来たいと思っていたのですごく興奮しています。すごく楽しい。将来はメジャーリーガーになって、ここでプレーしてみたいですね」と、父親譲りの満面の笑みを見せた。日本人初となる親子2代のメジャーリーガーは誕生するか。