【アナハイム26日(日本時間27日)発】エンゼルスの大谷翔平投手(24)がレッズ戦の試合前、本拠地エンゼル・スタジアムのブルペンに入り、昨年10月1日の右ヒジ手術後初めてブルペンで投球練習を行った。捕手を立たせて20球、座らせて10球、同じく座らせたままクールダウンで10球、計40球投げた。大谷がマウンドの傾斜から投げるのは昨年9月2日のアストロズ戦以来、297日ぶりだ。来季の二刀流復活にまた一歩前進した。

 午後12時53分、大谷はフィールドに姿を現した。水原一平通訳が左翼の芝生に黄色のスポーツコーンを指定された距離に置き始めると、ファウルグランドに沿った低いフェンスをターゲットにした壁当てを開始。2分間でリズム良く16球をウオームアップがてら投げた。

 その後はブルペン捕手を相手にキャッチボール。最長120フィート(約36・6メートル)で計60球を投げると、左翼フェンスの向こうにあるブルペンに入った。マウンドのプレートに右足を置き、ワインドアップでゆっくりと投げ始めた。まずは捕手を本塁ベースの前に立たせて20球。そして捕手を座らせると「今日は50%ぐらいで」という力加減で、セットポジションから10球を投げた。クールダウンでは座った捕手に10球を投げ、計40球で傾斜からの投球練習を終えた。

 取材に応じた大谷は「(マウンドからの投球は)懐かしい感じはしました。久しぶりだなって。気持ち良く投げられたなと思います」と振り返った。右ヒジの状態については「今の時点ではあまりないので、明日どのぐらい張るのかなとか、その感じかなとは思います」と話した。投球前にコーチ、トレーナーから特に注意はなかったという。

 投手に復帰する来季は開幕からローテーション入りが期待される。「そうですね。そこを目指して頑張りたいなとは思っています。もちろん」と力を込めた。

 大谷が米メディアの取材を受けている最中、打撃ケージから戻ってきたマイク・トラウト外野手(27)は大谷に向かって「グッドだった?」とひと言。大谷がはにかみながらうなずくと「オッケー。じゃあ明日は先発(登板)だな」と言い放ってクラブハウスに入った。チームにとっても、大谷のリハビリがブルペンで投球練習を行う段階に入ったことは大きなニュースだ。次回のブルペンでの投球練習は中2日で29日(同30日)に行われる。