田中が首位レイズから3勝目 プレートを踏む位置の変更が奏功

2019年05月13日 16時30分

ベンチに戻ってサバシア(左)とタッチを交わす田中(ロイター=USA TODAY Sports)

【フロリダ州セントピーターズバーグ12日(日本時間13日)発】ヤンキースの田中将大投手(30)が敵地レイズ戦に先発し、7回を1本塁打を含む5安打1失点、7三振無四球で3勝目(3敗)を挙げた。この日、プレートの三塁側に足を置いた右腕はスライダーだけでなく、課題のスプリットにも効果をもたらし、好調レイズ打線を翻弄。チームも昨年のサイ・ヤング賞左腕・スネルを攻略、7―1で勝利した。

 勝ってかぶとの緒を締めた。4試合ぶりの白星は首位のレイズから。しかも相手エースに投げ勝ったが、表情は厳しいまま。「良かったですよ。うれしいですよ。今日みたいなゲーム勝てたし。うれしいですけどね…不思議とそんな手放しで喜べる感じはないです。しゃべっている感じでわかると思いますけど」

 スプリットが操れず、もがき苦しんでいた田中がこの日試みたのは、プレートを踏むつま先の位置を真ん中から三塁側へ動かしたことだった。日本時代に多用していたポジション。メジャーでも何度か動かしたことはあるものの、やはりマウンドからの風景も違えば、投球感覚も変わる。しかし、右腕は「まあ、体が覚えてます」と平然。そしてしっかりと結果を出した。

 右打者には鋭く外角へ逃げ、左打者には外角のボールからストライクゾーンへ。さらには真ん中付近から内角の足元へ切れ込んでいく。三塁側に立つことで角度のついたスライダーを縦横無尽に操った。3回から3イニング連続三者凡退。5回までわずか53球で片付けた。

 課題のスプリットにも効果を与えた。角度がつかずにフワッと落ちる“悪いときの軌道”が減り、ストライクゾーンから縦に落ち、要所で空振りを取ることができた。田中も決してベストではないとしながらも「段階を踏んで、前回よりは今回、という形にはなってきている」と手応えを感じた様子だった。

「全体的に早い段階で自分のカウントに持っていけたことが、ひとつ良かった要因ではなかったのかなと思います」と田中。スライダー、スプリットが良ければ早打ちも増える。4回は9球、5回が7球、7回はわずか4球で終えた。少ない球数で凡打で仕留める、田中本来の投球が久しぶりに展開された。

 ピンチは6回だけ。一死、メドーズに真ん中低めの見逃せばボールのスライダーをうまくすくわれ、中堅バックスクリーンにソロ弾を運ばれ、1点差に詰め寄られた。さらに二死から落ちきらなかったスプリットを連打され一、二塁と一打同点、長打が出れば逆転のピンチを迎えたが、5番ロウを左飛に仕留め、切り抜けた。

 修正、微調整を繰り返しながらも成果が得られなかったなかで見つけた一筋の光。田中はすかさず「大げさです」と切り返したが、この1勝は大きい。きっかけになりそうだ。