【アナハイム25日(日本時間26日)発】エンゼルスの大谷翔平投手(24)が、2日連続で投手を相手にした打撃練習(ライブBP)を行った。5打席で安打性2本を放ったという。取材に応じた大谷は具体的な復帰時期は明言しなかったものの、「いつでもいける状態か」の問いに「僕個人としてはなってますね。その準備もしてきたつもりなので」とキッパリ。打者復帰へ秒読みだ。

 球団の発表では、傘下マイナーの左投手を相手に5打席立ち、遊撃内野安打と左中間を破る長打を放ったという。最初の打席では四球を選ぶなど、ボールの見極めにも対応できつつあるようだ。24日(同25日)に行った昨年10月の右ヒジ手術後、初のライブBPは右腕相手に2打数1安打、2四球だった。

 練習後、報道陣に対応した大谷は「感じ的にはすごい良かったかなと思います。見極めもしっかりできてましたし、ボール、ストライクの判断も割と良かったんじゃないかなと思ってます」と手応えを口にした。

 気持ちが高まる一方で、オースマス監督は復帰まで少なくとも40打席は経験させたいとの方針を明かし、「キャンプ中に5月中旬と想定したが、少し早まる」としている。どう考えているのか。

「(40打席より)少なくても大丈夫だとは思ってますけども、それで100%試合に出て打てる保証もないです。監督やその他スタッフの人たちが、僕も含めて『いける』という安心した状態でいくのがベストじゃないかなと思うので、感覚もそうですけどそこも大事なのかなとは思ってます」

 ライブBPなら1日で10打席も可能。26日(同27日)からのカンザスシティーへの遠征には同行せず本拠地で調整する予定で、最短なら30日(同5月1日)の本拠地ブルージェイズ戦での復帰もあり得る。さらには5月4日(同5日)のメキシコでアストロズ2連戦、7日(同8日)からの敵地でのタイガース戦もXデーの候補だ。

 大谷不在の中、チームは低迷している。ヤンキースとのこのカードでも3連敗中で、24日現在、9勝16敗。ア・リーグ西地区で唯一、勝率5割を切っている。早く加わりたいか、という問いには冷静にこう語った。

「必ずしも自分が入ったことによって得点力が上がるっていうわけではない。必要としてくれればそこに入っていきたい。チームが勝っていない状況は誰しもが苦しいと思うんですけれど…まだ最初なので、主力が帰ってくる中でしっかりと勝ち試合をキープできれば後半に向けてまだまだチャンスはあるんじゃないかなと思ってます」。静かな意気込みを感じさせた。

 大きな手術を経て臨む今季だが、シーズンに入る不安、緊張感はこれまでと変わらない。「実戦に入ってみないと、あらためて『打てる』とか『抑えられる』とか『走れる』とか、そういう自信みたいなものは出てこない。毎年そうですけど、一本出るまでは不安があるもの。それは復帰時期がずれても、ずれなくても変わらないのかなとは思います」

 まもなく「平成」から「令和」に改元される。今の自分を形づくった平成を振り返って、と問われた大谷は笑みを浮かべこう言い切った。「野球人生を語るにはまだまだ序章。その前段階として平成があったのかなと。新しい元号になって、ここからかなと思ってますし、これからが本番だと思っている。しっかり自分の力をもっともっと高く持っていけるように、そういう年に毎年したいなと思ってます」

 令和の球界にさんぜんと輝くであろう二刀流。まずは打者でその第一歩を踏み出す。