【ワシントン州シアトル発】マリナーズは1日(日本時間2日)のエンゼルス戦に6—1で圧勝して6勝1敗とし、1984、85、95年の球団ベストに並ぶ開幕ダッシュに成功した。快進撃を生み出したのはイチロー外野手(45)の引退表明と日本遠征のダブル効果だ。

 チーム好調の原因はもちろん打線。開幕から7試合連続本塁打中で、1試合平均7・7得点はドジャースの8・8得点に次ぐメジャー2位だ。同21位だった昨年の4・2得点を大きく上回っている。昨年までの主砲カノとクルーズを放出し、スミス、サンタナ、ブルース、エンカーナシオン、ベッカム、ナルバエスとスタメン9人のうち6人が新加入。攻撃力低下が心配された上、チームとしてまとまりを欠いた状況でのキャンプインだった。

 転機となったのはアスレチックスと3月20、21日に東京ドームで行った開幕シリーズ。サービス監督は「新加入の選手が多く、どうしたらチーム一丸となってシーズンへ臨めるか方法を考えていた。そこへイチローがキャンプに合流して、日本へ遠征した。選手たちが親しくなる機会として非常に有意義だったと思う」と強調した。

 選手たちは同じホテルで寝食をともにした。そこへイチローの引退という一大イベントが加わった。開幕投手を務めたゴンザレスは「チーム内にパッション(情熱)が発生した感じだった」と明かす。レジェンドの凱旋を盛り上げるため、一体感や絆が生まれたということだ。

 シーズンは始まったばかりだが、今年のマリナーズは現時点で、ひと味違っていることは間違いない。