大谷が扉開いたメジャー「リアル二刀流」 ただいま挑戦・3人の“弟分”

2019年03月15日 11時00分

メジャーに二刀流の波を起こした大谷

 エンゼルスの大谷翔平投手(24)は昨季、ベーブ・ルース以来の本格的な投打の「二刀流」で全米を席巻し、ア・リーグ新人王に輝いた。ルース以降ほぼ100年、不可能と思われていた「Two Way」を成功させたことで今年のキャンプではリアル二刀流が新たなトレンドになっている。レッズのマイケル・ロレンゼン投手(27)、ともにエンゼルスのケイレブ・カワート内野手(26)とマイナー契約のジャレッド・ウォルシュ内野手(25)が挑戦中だ。3人の現状に迫った――。

【マイケル・ロレンゼン投手】ロレンゼンは11日(日本時間12日)のインディアンスとのオープン戦にリアル二刀流で出場した。5回に3番手でマウンドに上がり、三者凡退で2三振を奪った。6回から中堅の守備に就き二塁打と単打を処理。8回の守備から交代した。打者としては6回に空振り三振に倒れた。

 昨季は中継ぎで42試合、先発で3試合に登板して4勝2敗1S、防御率3・11。打撃は54試合で31打数9安打で打率2割9分、4本塁打、10打点と投打で実績を残した。ブルペンで準備中に「代打で行くぞ」と電話で告げられたこともあったという。今季は球団オーナーらの後押しがあり、二刀流に取り組んでいる。オープン戦では12日(同13日)現在、投手としては5試合に登板し、6回を投げて防御率3・00。打者では1試合で1打数無安打。このまま、二刀流としてメジャーの開幕を迎えることはほぼ確実だ。

 ロレンゼンの口から出たのは大谷への感謝だ。

「彼のやったことは、僕がやりたかったことなんだ。おかげで他の29球団が、(二刀流について)検討するようになった。彼の成功は僕のような選手たちに、これまで閉ざされていた扉を一気に開いてくれて、(二刀流の)機会をもたらしてくれた。彼は間違いなく本物で、これからも素晴らしいキャリアを積んでいくに違いない」

 大谷との違いはどこにあるのか。

「我々の一番の違いは、彼はすでに日本で確立させたものを(米国で)継続した。僕は今、(調整など)何が正しいのかなど、学んでいる最中。そしてフィールドで示す必要があるということ。僕は今、とてもいい位置にいると思う」

 二刀流でのキャンプは基本的に投手の練習をする日は投手に、外野手の練習をする日は外野手に専念。もっとも、ライブBPで投げた後、外野の守備練習をするなど両方をこなす日もある。「僕が投手と外野手として成功するよう、チームが全力でサポートしてくれている。とても感謝している」

 最終目標は先発ローテーションに入り、登板間の3試合に中堅手として出場すること。「おそらく、これが僕にとってパーフェクトなケース、夢かな」

 エンゼルスの地元アナハイムで生まれ、エンゼルスファンとして育った。今年は6月に故郷で交流戦が組まれている。打者・大谷との対戦については「ファンタスティックだ。ぜひとも投げてみたいね」と心待ちしている。家族、友人の前で大谷を打ち取り、決勝打を放つことができれば最高だ。

【ケイレブ・カワート内野手】カワートは高校時代、1イニングで左右両打席で本塁打を放つなど二刀流で活躍した。2010年ドラフトでは内野手として1巡目(全体18位)でエンゼルスに指名された。15年にメジャーに昇格するも、4年間で162試合、345打数61安打、打率1割7分7厘、6本塁打、33打点とサッパリ。

 昨年、二刀流プログラムがつくられたものの、12月にマリナーズへ移籍。その後、タイガース入りするも戦力外となり、2月23日(日本時間24日)に復帰した。タイガースでは本格的な投球練習も開始していた。

「翔平は投手、野手、どちらもすごい。昨季、一緒にプレーできたのは幸運だった。彼を見て『ああ、自分もやってみたい』と考えるようになったのは確か。ベンチ入り選手をもっとフレキシブルに起用するという意味でも、翔平は新たなドアを開けてくれたんだ。もう一度、二刀流ができるなんてとてもエキサイトしている」

 オープン戦で投手としての出場はないが、12日(同13日)現在、3試合で5打数2安打、1本塁打、5打点。4日(同5日)のホワイトソックス戦では満塁弾を放った。投手復帰で輝きを放つことはできるのか。

【ジャレッド・ウォルシュ内野手】ウォルシュは10日(日本時間11日)のマリナーズ戦でリアル二刀流で出場した。「二刀流は、チームの方からやってみないかと言われたんだけど、自分でもやってみたいと思っていた。とても興奮している。僕と翔平との大きな違いは、彼は先発投手で、僕の役割はブルペン投手であること」

 2―4の8回からマウンドへ。二死は取ったが3四球で満塁とすると、一塁の守備に回った。交代した投手が打たれて3失点。しかし、7―9の9回一死満塁で左翼線に同点二塁打を放ってバットで取り返した。

 左打ち左投げで一塁手兼外野手、中継ぎもこなせる。今年のオープン戦では12日(同13日)現在、投手として4試合で3回2/3を3失点。打者では11試合で18打数5安打、打率2割7分8厘、5打点だ。昨季は傘下マイナー1A、2A、3Aでプレーし、投手で計8試合に登板し、防御率1・59。打者としては計29本塁打、計99打点だった。

「今の時点では自分が将来どうなっていくのか、どう起用されていくのかは想像がつかない」と先は見えていないがチームの期待は大きい。