菊池雄星レッズ斬り オープン戦初登板初勝利「球速出てホッとした」

2019年02月26日 20時00分

オープン戦で初登板した菊池(AP)

【アリゾナ州ピオリア25日(日本時間26日)発】マリナーズの菊池雄星投手(27)がレッズ戦とのオープン戦で“メジャーデビュー”した。2回を1安打1三振1四球2失点(自責点0)。味方野手の拙守で2失点したが、最速95マイル(約153キロ)をマーク。2010年のナ・リーグMVPボットから空振り三振を奪うなど上々のスタートを切った。「YUSEI」旋風の始まりだ――。

 暖かい気候が戻ってきたアリゾナ。国歌斉唱とスタメン紹介が終わるといよいよ背番号18の登場だ。しかし…。菊池はベンチからマウンドに行くタイミングがわからず、チームメートにせかされてマウンドに上がった。それでも緊張することはなく落ち着いていたという。

 先頭打者のセンゼルに対して、初球は速球でストライク。2球目で右飛に打ち取った。2番は通算269本塁打、通算打率3割1分1厘、メジャーを代表する左の強打者のボット。2―2から6球目のカーブで空振り三振に切り、2017年28本塁打、18年23本塁打のドジャースから移籍した右の強打者プイグを内角速球で詰まらせ、一ゴロに片付けた。計13球、完璧な立ち上がりだ。

 2回は昨季34本塁打の右の大砲スアレスを四球で歩かせ、5番・オーキーに狙い通り遊ゴロを打たせた。しかし、遊撃手・ベッカムが打球が手に付かず失策。無死一、二塁のピンチを招く。ここで6番・ファーマーにカウント1―1から甘い速球を中前に運ばれ1失点。中堅手・ウィリアムズが打球をお手玉して一、三塁とされる。7番・アービンをカーブで三ゴロ併殺に仕留めたが、この間に2点目。8番・パターソンを遊ゴロでこの回を終了した。

「楽しかったです。初めてにしては本当に納得いくボールも多かったですし、何よりメジャーのバッターを感じられたところが一番収穫かなと思います。一人ひとりテレビで見た選手だと思いながら、楽しく投げることができました」と菊池は汗を流しながらさわやかに初登板の感想を語った。

 投げたボールについては「カウントも取れましたし、差し込めたボールも何球かありましたし、ストレートに関しては納得いくボールが多かった」と本人が生命線と言う速球の出来にホッとする。だが、「まだまだ変化球の精度というのは上げていく必要はあるなと思いました」と反省した。

 次回への課題は変化球の精度を上げる他にもある。「セットポジションに入ってちょっとカウント取りに行った球を打たれたりとか、やっぱりメジャーのバッターは見逃してくれないと感じました。セットに入って少しバランス崩して球威も球速も落ちた部分もありましたので、次はそこを修正したいと思います」と走者を背負っての投球を挙げた。

 高校1年から抱いていたメジャーのマウンドにようやく立った。もちろん、ゴールではない。アメリカンドリーム実現へ大きな一歩を踏み出した。

【雄星と一問一答】

 ――マウンドに上がったときの景色はどうだった

 菊池:まだオープン戦とはいえ目指していた場所に立てたという充実感はすごくありましたし、一人ひとりのバッターの名前を見ながら本当にやっと立てたんだという実感が湧いてきました。

 ――最速は95マイル(約153キロ)

 菊池:毎年スピードが出なかったらどうしようという不安はあるんですけど、初戦で95マイルまで出たのはホッとする材料だと思います。

 ――カーブで三振を取った

 菊池:オマー(ナルバエス捕手)とも話しましたけど変化球の中ではカーブが一番でスライダーよりもいいと言ってくれてますけど、僕の中ではスライダーが一番と思っていますんで、まだいいスライダーが投げられていないということに関して次の課題もあるかなと思います。

 ――アドレナリンは出たのか

 菊池:そうですね。特に最後のバッターはランナーもいなかったですし、2点取られて最後はいい形で終わりたいということもありましたのでちょっと強めに投げて、球速的(初球95マイル)にもいい数字が出てたので、アドレナリンが出たのかな。

 ――メジャーでやっていく自信がついたか

 菊池:まだバッターも調整段階だと思いますが、いい球がいけばきっちりと詰まらせることができてましたし、当然厳しさと言いますか、甘く入れば、弱い球になってしまえば、危ないという危険性が常にあることも感じましたので、より慎重に投げなきゃなと思いました。

 ――ベンチに戻ってのチームメートの反応は

 菊池:グッドジョブと言ってくれるので、うれしかったです。

★マリナーズ・サービス監督「非常にいい投球だった。最初の登板としては極めて素晴らしかった。少しナーバスになっていたかもしれないが、速球は走っていて95(マイル)を計測した。ブレーキングピッチも良かった。登板までの時間の使い方などルーティンに慣れるのに少し時間はかかるだろうが、初回登板として非常に落ち着いていた。次の登板はたぶんローテーション通り5日後になるだろう」