【フロリダ州タンパ21日(日本時間22日)発】ヤンキースの田中将大投手(30)は実戦形式の練習に登板。先頭打者にいきなり一発を浴びたものの、許した安打はその1本のみ。打者6人を相手に2三振、1四球だった。

「今日の投球にコンビネーションも何もない。ただ自分の投げたいボールを投げただけ」

 田中は結果にこだわらず、全球種を投じた。途中、セットポジションからノーワインドアップに切り替えるなど、自身の調整の段階を確認した。

 先頭の左打者・バードには内角のカットボールを右中間に運ばれたが、トゥロウィツキーをスプリットで浅い右飛。続く大砲・サンチェスをカーブで三ゴロ、昨季大谷と新人王を争ったアンドゥハーはフルカウントからスライダーで見逃し三振に打ち取りベンチへ引き揚げた。

 インターバルを置いて始まった2イニング目は、昨季24本塁打のトーレスをスプリットで空振り三振。続くウェードにフルカウントから四球を与えたところで32球。ブルペンでの投球を合わせて50球を超えたこともあり、ここで終了となった。

 スライダー、スプリットと打ち取れるボールは分かっている。田中が収穫として挙げたのはカーブとカットボールだった。カーブは初球でストライクを取れただけでなく、サンチェスのタイミングを外した。カットボールも結果はともあれ狙ったコースへ投げきることができた。田中は「カーブとカッターをしっかりと投げきることがある程度できてたので、そこら辺は収穫ではあります」と語り、ここまでの調整を「充実してますよ」と明るく語った。

 ロスチャイルド投手コーチも「まだ調整段階で通常ゲームのカウントでは投げない球も投げていたけど、投げたい球を投げて打者の反応を見られて良かったと思う。全体的に田中にとっていい日だったと思う」と評価した。