日本ハムの吉田輝星投手(18=金足農)と柿木蓮投手(18=大阪桐蔭)が先日16日に行われた紅白戦に先発登板。吉田輝は1回1安打1失点2四球、柿木は1回無安打無失点無四死球と上々のスタートを切った。昨夏甲子園決勝で対戦した両右腕は互いに切磋琢磨しているが、かつての甲子園優勝投手は2人のライバル関係をどう見ているのか。斎藤佑樹投手(30)に聞いた。

“プロ初先発”を終えた吉田輝は「球自体はいいボールが行ってたのでよかった。思ったよりも通用した。50点よりは全然上だと思う」と自己採点。同期の柿木については「投げ合いは想像通り楽しかった。(前日は)紅白戦の話はしてないですし、キャッチボールも別々で敵意識があったかも」と語り、対する柿木も「自分は輝星が投げるのを見たあとだったので、そこは気合入れてやれました。勝ったという気もしない(笑い)。ファイターズを背負っていけるよう、2人で切磋琢磨していきたい」と話した。

 栗山監督の粋な計らいで実現した甲子園決勝の再現に、当人たちもいっそうのライバル意識を燃やしているが、かつて甲子園決勝で現ヤンキース・田中将大と投げ合い優勝した斎藤は、そんな2人の関係性をどう見たのか。

 斎藤の抱く“ライバル観”を直撃すると「2人はお互いをライバルだと思ってるんですか? ライバル関係になることは、2人が本当に望んでいることなんですかね」とひと言。長らく比較され続けてきた田中については「僕はライバルだとは思ってないです。ただのジャパンでのチームメート、それだけです」と話した。

 その真意について、斎藤は「マスコミの方はそれが仕事ですし、甲子園の決勝で投げ合ったのは事実。それで周りがそう思うのも自由なことです。それに自分が左右されたとも思ってない。ただ、仲がいいとかライバルとかって、ずっとそうかというとそうではないですし、ライバルという言葉だけではひとくくりにできない関係。周りの思いで今の関係性が変わってしまってほしくない。2人がライバルと思うならライバル、仲間と思うなら仲間で、自然体でいいと思う」と言葉を選びながら説明した。

 甲子園決勝から日本代表、同チーム入団と、ここまでお互いを高め合ってきた吉田輝と柿木。チームメートとなった2人の関係性がこの先も続くことを、斎藤もまた願っている。