西武からシアトル・マリナーズにポスティング移籍した菊池雄星投手(27)が7日、西武球団事務所を訪れ、最後のあいさつを行った。

 居郷社長、渡辺GMら球団幹部、職員に「9年間、本当に感謝の思いでいっぱいですし、ライオンズで良かったなと改めて思った。9年前、当時の渡辺監督(現GM)にクジを引いていただいて、その時のガッツポーズを今でも忘れませんし、その時の喜びにどこまで応えられたかというのは正直足りない部分があると思う。場所は変わりますけど、ライオンズで恩返しできなかったこと、果たせなかったことをこれから見ていただけるように頑張っていきたい」と決意を語り、西武でのけじめをつけた。

 会見後には苦節時代の思い出の詰まった西武第二球場、室内練習場、若獅子寮に足を運び、偶然居合わせた中村、源田、岡田らに近況報告して別れを惜しんだ。

「とにかく1年目からローテーションで回る責任がある。チームの中心になって活躍していかなければいけない」と意気込む菊池。チームを解体し、再建へと向かうマリナーズに先発2番手として迎えられた4年総額5600万ドル(約60億円=最低保証分)の責任に対する覚悟がにじむ。

 その菊池は3日(日本時間4日)、シアトルで行われた入団会見に瑠美夫人とともに両親を招待。花巻東高時代から描いていた夢舞台への門出の場に招待する親孝行を実現させたが、その直前の昨年12月には、もうひとつのビッグプレゼントを贈っていた。

 それは実家の新築。菊池はポスティング交渉が佳境に入る直前の12月上旬に、講演会の予定などもあり実家のある岩手に1週間ほど帰省したが、そのタイミングで両親にプレゼントした新居が完成したという。

 菊池家に近い関係者は「新しい豪邸は盛岡市内でも大きな商業施設が次々にできている人気の新興住宅地にあります。土地はかなりの敷地面積があって総額1億円を超える豪邸。地元では、すでに話題になっています。これ以上の親孝行はありませんよ」と菊池の孝行息子ぶりを証言する。

 旧所属球団、両親や母校にも、これまでの感謝を形にし、けじめをつけた背番号18が、いよいよ15歳から思い続けたメジャーに船出する。