今季ア・リーグ新人王に輝いたエンゼルス・大谷翔平投手(24)が13日「2018毎日スポーツ人賞」のグランプリに輝き、表彰式に出席した。「この賞を励みに今年以上の活躍ができるように頑張りたい」と受賞の喜びを語ったが、目下の注目は花巻東高校時代の先輩で今オフ、メジャー挑戦を目指している菊池雄星投手(27)の動向。2人の共闘となれば盛り上がること必至だが…。実際はどうなるのか。

 大谷はイチロー(マリナーズ)以来、日本人17年ぶりの新人王に輝いたメジャー1年目について「僕にとっては挑戦という一年だったのですが、最初から最後まで頑張れた」と自画自賛。投打とも不振だったシーズン前にエプラーGM、ソーシア前監督から「自分の持っているものに対する自信は疑ってほしくない」と何度も語りかけられ「救われた部分があった」と振り返った。

 10月1日に右肘内側側副靱帯の再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けたリハビリの状況は「今のところすごく順調に来ている」と報告。「来年どのような形で出場するかはリハビリの経過次第なんですけど(2月のキャンプでは)確実にバットは振れていたい。ティーバッティングも軽く打ち始められれば十分じゃないかと思う。そこまでの過程が大事。そこまでいってしまえば大丈夫かなと思う」と打者専任となる来季へ向け、早期戦列復帰への意気込みを語った。

 その大谷の母校で花巻東の3学年先輩にあたる菊池が現在、来季からのメジャー挑戦を目指し交渉中。代理人スコット・ボラス氏(66)がウインターミーティング会場で連日、獲得希望球団との下交渉を重ねている。

 しかし、投手・大谷が来シーズンは〝離脱〟し、先発ローテーション強化が補強ポイントとなるエ軍は菊池の獲得に積極的ではないようだ。エンゼルスの球団公式サイトは先日「菊池なら先発ローテーションを押し上げてくれる」と指摘する記事を掲載する一方で、菊池の肩の故障歴にも言及し「エンゼルスはここ数年はローテーション投手の故障が多く、健康な投手を優先する方針でいる。そこまで積極的に動かないかもしれない」と菊池獲得交渉からの撤退をにおわせてもいた。

 交わらない両者の関係性は米メディアの予想とは別の理由で、花巻東関係者の間でも認識されている。「どちらかというと先輩の雄星の方がスーパースター・大谷を意識して遠ざけている感じ。年末の佐々木監督へのあいさつもわざわざ大谷の訪問日程を調べてズラしてくるほど。岩手では『雄星のエンゼルス入りだけはない』と信じられている」と学校関係者は指摘する。

 それを裏付けるように、11月10日から菊池がボラス氏との打ち合わせのために一時渡米した際にも、先輩と後輩が現地で合流した形跡は見当たらない。

 菊池が10日間程度滞在した前回渡米中は、ボラス氏の事務所のあるロス郊外ニューポートビーチで連日、トレーニングとミーティングを行っていた。同地から大谷の自宅のあるオレンジカウンティーまでは車を使えばハイウエー一本。約15~20分程度の距離なのだが2人が現地で接触した様子はなく、エンゼルスの本拠地球場の至近距離にあるNHLアナハイム・ダックスの本拠地に菊池が試合観戦で訪れていた事実だけが、MLB公式サイトで報じられていた。

 どうやら2人の交わらない関係は、米国でも継続されそうだ。