日本ハムの大渕隆スカウト部長(48=当時スカウトディレクター)はメジャー志望だった大谷翔平投手(24)との入団交渉時に「大谷翔平君 夢への道しるべ」と題した球団資料を作成し、日本ハム入りに尽力した担当スカウトとして知られる。大谷がメジャー1年目から二刀流で結果を残した要因を「間違いなく一点、野球の技術に関する向上心の高さですね」と指摘し「さまざまな高卒選手をチームに送り込んでいるわけですが、その中でも(向上心の高さは)群を抜いています」と類いまれな大谷の才能を語った。

 大渕部長が担当した当時、大谷はまだ18歳。6年がたち大人になった今、内面的な変化があって当然だが「何一つ変わってないですね。むしろ“変わらないこと”がすごい。どの選手も最初は『がんばろう』と意気込みますが、彼の場合はその気持ちがここまでぶれずにずっと続いているんですよ」と明かす。

 さらに「彼にとってはここはまだ通過点。山の頂上に向かってる途中ですから、彼もそんなに喜んでないと思いますよ。彼が持っているのはもっと高い目標ですから。見守るのが楽しみ? そうですね」。穏やかな口調で語る大渕部長は、大谷がさらなる高みに到達する姿を楽しみにしている。