メジャーの今季の新人王が12日(日本時間13日)に発表され、ア・リーグはエンゼルスの大谷翔平投手(24)、ナ・リーグはブレーブスのロナルド・アクーニャ外野手(20)が受賞した。全米野球記者協会(BBWAA)会員による投票の結果、大谷は1位票を25票獲得し、48点差でヤンキースのミゲル・アンドゥハー内野手(23)を制した。打撃は3部門とも下回ったが、二刀流のインパクトが上回った。日本人選手では1995年の野茂英雄(ドジャース)、2000年の佐々木主浩(マリナーズ)、01年のイチロー(マリナーズ)に次いで4人目の快挙だ。

 ア・リーグ新人王の最終候補は大谷、アンドゥハーとヤンキースのグレイバー・トーレス内野手(21)の3人。10月以降、複数のメディアが発表した新人王では大谷が優勢だった中、BBWAA会員の評価が注目されていた。その結果、大谷は1位票25票、2位票4票で計137点。アンドゥハーは1位票5票、2位票20票、3位票4票の計89点で、48点差で大谷に軍配が上がった。トーレスは25点だった。

 ベーブ・ルース以来の本格的な投打の二刀流として期待された大谷。オープン戦では防御率27・00、打率1割2分5厘と大苦戦し、米メディアでは「3Aで開幕すべき」との論調が目立った。しかし、敵地で迎えた3月29日のアスレチックスとの開幕戦では初打席で初安打を放ち、4月3日からは3試合連続本塁打。初登板した4月1日のアスレチックス戦は6回を3失点に抑え、初勝利をマーク。8日のアスレチックス戦で7回一死まで走者を許さない快投を演じ、メディアを黙らせるとともに全米のファンを熱狂させた。

 打者として104試合の出場で打率2割8分5厘、22本塁打、61打点。右ヒジの内側側副靱帯を2度傷めたため、投手としては10試合の先発で4勝(2敗)にとどまり、1918年のルース以来となる同一シーズンでの2桁勝利、2桁本塁打には届かなかった。しかし、ルース以来の同一シーズンでの10試合登板と20本塁打を達成。それに加え、10盗塁を記録したのはメジャー初だ。

 ライバルのアンドゥハーは149試合で打率2割9分7厘、27本塁打、92打点と3部門全てで上回った。ヤンキースが100勝を挙げ、ポストシーズンに進んだのに対し、エンゼルスは80勝82敗でア・リーグ西地区4位に沈んでおり、チーム勝利への貢献度も差があった。しかし、ルース以来の二刀流のインパクトが上回った。

 10月1日(同2日)に右ヒジの靱帯を修復する手術を受けた大谷についてエプラーGMは5日(同6日)に「ショウヘイはとても元気にしていて、リハビリのプロセスも今のところ順調に進んでいる。重要なのは今後もじっくりと、急がずにやっていくこと」と明かしている。

 来季は打者に専念し、二刀流復帰は20年以降になる。打者・大谷はどれほどのインパクトを残すことができるか。松井秀喜(ヤンキース)が04年にマークした日本人最多の31本塁打超え、さらには日本人初の40本塁打到達、打率3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリー達成と期待は膨らむ。