【カリフォルニア州オークランド3日(日本時間4日)発】ヤンキース・田中将大投手(29)は、グラウンド上ではキャッチボールのみの軽めの調整だった。11勝目をかけた次回登板は、中6日を経た7日(同8日)のマリナーズ戦が濃厚。好調を維持する背番号19が、残り1か月を切ったレギュラーシーズンでどこまで勝ち星を伸ばせるか注目だ。
前回登板では故障明けの正捕手・サンチェスと、およそ2か月ぶりのバッテリーを組んだ。それまでは2番手のロマイン、日系4世のヒガシオカがマスクをかぶっていた。中でも田中に感謝の念を抱いているのが、4試合で組んだヒガシオカだ。
「(配球を)クリエーティブに考えることを学べたと思っている。彼は球種が多くて、それによっていろんな(配球の)オプションが出てくる。セオリーから外れた、今まで考えてこなかった形でリードすることを、少しはできるようになったかな」
球種だけではなく変化や球速の強弱も併せ持つため、配球のバリエーションは計り知れない。その難しさを知ったというが、これは口頭での“指導”ではなかった。「最初にバッテリーを組んだとき、どういうボールを要求すると首を振るか…。それを見て、こういう方向で考えればいいのか、というのを(田中は)導いてくれた」
「試合で試し、試合で学ぶ」というのが田中の流儀。言葉でのアドバイスではなく、18・44メートルの中で“田中の考え”を肌で感じたことで配球の幅を広げることができそうだという。
メジャー5年目ながら、年齢ではチームの先発投手では38歳の左腕サバシアに次ぐベテランでもある田中。若手ひしめくチームに与える影響力は増すばかりだ。