【ニューヨーク1日(日本時間2日)発】ヤンキースの田中将大投手(29)は31日(同1日)のオリオールズ戦に先発し、制球に苦しみながらも6回を3安打無失点に抑える粘投で今季9勝目(2敗)を挙げた。一夜明け、ニューヨークの地元メディアは前回の完封に続く無失点投球を高評価した。

 ニューヨーク・ポスト紙は中面見開きで田中が力投するカラー写真を掲載。TANAKAとスペイン語で何もないことを意味するNADAを掛け合わせて「TA―NADA」と見出しを取った。「田中がこの試合で勝利したこと以上に、シーズンの残り2か月で計算できる投手になる兆しを見せたことが重要だ」と報じた。

 ニューズデー紙(電子版)は「ヤンキースはトレード期限までにエース級の投手を獲得しなかったが、その必要はなかったかもしれない。たぶん田中がその理由だ」と称賛。ザ・レコード紙(電子版)も「ヤンキースが探していたエース級は自分たちのクラブハウスにいた」と持ち上げた。NJ.comは「田中がエースのようなピッチング」と評価。米スポーツ専門局ESPNニューヨーク(電子版)は「田中は13試合連続で負けなし」と伝えた。7連勝はメジャー自己最多タイだ。

 初回は2四死球を与えるなど打者5人に31球を費やした。「初回終わってから映像を裏で見た。修正を試みて何とか粘ってああいう結果につながった」と2回から修正力を発揮して立ち直る。

 圧巻の投球を見せたのは1―0の3回。先頭ウィンズに左中間二塁打され、打順は上位打線へ。しかし、1番ベッカムをスライダー、2番ピーターソンをスプリット、3番ジョーンズをMAX151キロ速球で3連続空振り三振に仕留めて切り抜けた。6回も安打と四球で一死一、二塁とされるも、4番トランボからスライダー、5番デービスは速球で連続空振り三振を奪い、無失点でマウンドを降りた。

 田中は登板後に「内容は求めていくけど、やっぱり何が何でも勝ちにいくっていう投球をしなければと思います」と語った。これからもチームの勝利のために投げる。