両太もも裏の張りで10日間の故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(29)は10日(日本時間11日)、塁間の距離で軽めにキャッチボールをした。9日(同10日)にDL入りした。9日のメッツ戦に3―2で勝利したヤンキースは42勝18敗、勝率7割と白星を積み重ね、ア・リーグ東地区でレッドソックスに0・5ゲーム差の首位だ。

 田中は先発した8日(同9日)のメッツ戦で6回に三塁からタッチアップで本塁へ走った際に両脚に張りを訴え、交代していた。

 9日に精密検査を受けた田中は「歩いていると張りを感じるし、両方とも同じような症状。何日かは治療を優先していくけど、一日でも早く戻れるようにやっていきたい」と話した。ブーン監督はオールスター戦(7月17日=同18日、ワシントン)前までには復帰可能という見通しを示した。

 ヤンキースの先発投手陣は左腕ジョーダン・モンゴメリー(25)が左肘靱帯のトミー・ジョン手術を受けたため今季絶望。そこにチーム2位の7勝を挙げている田中が戦線離脱し、先発ローテーションはピンチだ。

 両投手離脱による穴の一つはとりあえずドミンゴ・ヘルマン投手(25)が埋めるが、もう一つはまだ決まっていない。現時点でベンチ入りしている25人枠の中では4月24日(同25日)にナショナルズからトレード加入したAJ・コール投手(26)は今季も2試合に先発したが、メジャー通算6勝8敗。荷は重い。

 一方でチャンス・アダムス投手(23=今季3Aで2勝2敗、防御率5・67)やユストゥス・シェフィールド投手(22=同1勝2敗、防御率2・96)ら有望な若手をマイナーから昇格させる手もある。だが、メジャー40人枠に入っていないため昇格させるには、代わりに誰かをマイナーに降格させるか戦力外にしなければならず地元ニューヨークのメディアは「現実的ではない」と見ている。キャッシュマンGM、ブーン監督はどうするのか。